シーズン10まで自動録画されていた「孤独のグルメ」が、再放送も律儀に録画されるので、うれしくも困るハードディスク貧困!!
ただの埋め草ではなく、リクエストもあるようだし、数字も取れる。
再放送が次のシリーズへの宣伝にもなるから、うまいこと考えたね、と座布団3枚。
確かに、再放送に価する文化遺産だと思う。
番組ファンは世界各地に広がり、すすり食い、咀嚼音も「これが和食なのだ」と無言のアピール。「よそ行き」のマナー演出などしない。それも潔いと思う。
ほかの客卓を盗み見して、「あれもいいな、同じやつを」と優柔不断ぶりをにじませるところもいい。
刑事ドラマや医療ドラマとならんで、メシ系が「ドラマ界の定食」になったのは、意外と新しい。
孤独のグルメが、柳の下のどじょうを生んだような気もするが、いやいや、ドラマの過半数がコミックの実写化だったりするようだから、メシ系コミックが多かっただけ。僕も谷口ジローさん筆の原作から愛読していた。
メシ系コミックは麺系、酔っぱらい系、アウトドア系、と枝分かれしていて、映像より出版で欧・米・中・韓マーケットに浸透しているから、「ひと粒で二度三度おいしい」楽しみかたができる。
調理師をしてなくても飲食店のバイト経験者は多いし、だれでも客の経験はあるから、フィクションだからと手抜きはできない。ある意味、ドラマづくりも真剣勝負だろうな、と思う。
かたや医療系、警察系のドラマは追体験したくない世界だし、役者も99%お芝居でしかない(元K察官は、ベテラン漫才師かにいたような…)
だから、実際あんな会話をしているのか、あんな場面があるのか、そんなしぐさをするものか、視聴者も現場経験をすることがまずない。
おかげで、冷静な人は半信半疑、おめでたい人は信じこんでしまう(逮捕されたらカツ丼をおごってもらえる!?とあてにしていたり…笑)。
一人で土地勘のない地方でメシ屋の目星をつけるとき、リアル孤独のグルメをさせられとるな〜と苦笑しつつ、それほど苦でもなく、「新しい天体」を探す気分。
同じ気分の見知らぬおじさん客と目が合うとき、「お互いさまでんな」と妙な連帯感を覚えることもある。これもドラマの余録みたいなものか?
最近でこそ、韓国やヨーロッパの幽チューバーが「一人外食できるようになった」とレポートしてくれるようになったが、この程度の食文化が育たなかった(カップル文化の圧が強い?)国は、なにかと息苦しいんちゃうやろか?
おひとりさま文化の象徴が井之頭五郎だといえるし、おばさんも OL も、孤独のグルメを抵抗なくできるようになればいいのにね、と思う。
巷には仮性孤独のグルメを楽しむ妻帯者もいるようだが、そんな趣味は贅沢でしかない。
リアル孤独になれば定食の味もしみるってものだ。
「ずっと孤独のグルメ」と、「三行半で孤独のグルメ」のどちらがえらいか、国連で審議してほしいものである。
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