虫の知らせなのか、ふだん聴かない早朝のラジ関をたまたまキャッチすると、西條遊児さんの訃報と、ベテランアナの思い出話がしんみり。
つい先月末のサンデー神戸で、ふだんと変わらない軽快で愛嬌満点、締めるところはきちっと締める元気な声を届けてくれていたのに。
心筋梗塞はあっけない。局内で倒れたようだから搬送も速かったはずなのに、助からなかったのは残念としかいえない。
とはいえ生涯現役で逝かれたわけで、遊児さんらしいかな。
漫才師の親の衣鉢を継ぐような兄弟漫才師としてデビューしながら、この世代には珍しいインテリでもあったから、パーソナリティ業界に兄弟で転身したのは正解だったと思う。
弟の笑児さんと組んだ「遊児笑児のおはようさん」は、通勤する父のカーラジオでかかっていたのを憶えている。道上洋三や浜村淳より、西條遊児さんが神戸市民にとっては朝の顔だったのではないだろうか。
間のとりかた、緊張のほぐしかた、ユーモアのセンスは、だれからも愛される「楽しいお爺ちゃん」然としていても、地元局に仕事をしぼり、「上京」の色気を断ってきた気骨が入っている。そして、県内くまなく歩いて人や土地を掘り起こしてきた。県民栄誉賞に値する文化人ではないでしょうか知事!
同世代の落語家はじめ芸人さんたちの中でも、滑舌のよさ、頭の回転の速さは秀でていた。緩急の使い分けは、さすが舞台出身だけある。
ほどよく枯れた声は、俗人がお世辞をかけられて浮かれる「若々しい」とは別ものの熟練の技でもあって、それも好奇心と人柄によるものかな〜とただただ感心するばかりだった。こうなりたいと思うジェントルマンであーる。
天国で兄弟漫才を復活しているかもしれないし、ラジオマニヤとしては兄弟番組をぜひ天の声でオンエアしてほしい。
それが勝手に聞こえるのがラジオマニヤの超能力(笑)でもあるから、さてどの夜に受信できるか、楽しみにしておこう。
遊児さん、お疲れさま♪
JUGEMテーマ:日記・一般