2010.10.20 Wednesday
来年のミシュランガイドに、神戸が初めて登場する。登場してしまう。登場させられる。
あぁ・・・星マニヤが大阪までで踏みとどまってくれますやらと淡い期待をしていたのに、京・阪とくれば神ですわな。あえなく、タイヤに踏み荒らされることになってしまった。
中には、この本に載ることに感慨ひとしおの料理人もおられることでしょう。自分へのトロフィーも、それはそれで仕事の励みになればいいと思う。
が、波及効果で客が増えるのに反比例して、ふらりと立ち寄って味を堪能できる機会は減る。
前に「京阪ミシュラン」への悪態はついたので、くりかえしても能がない。
・・・とはいえ、くりかえすぞ!
「安くて、うまくて、混まない」
が究極の飲食店のトリニティなんである(サービスがいい、愛想がいい、くさくないも加えていいか)。
店に入れないと、また予約できないと、もう評価以前に、どうしようもないではないか。
それに、評価するということは、これまでの実績に対する評価にすぎないから、評価後にどうなるかは未知数である。「いまバラの花束、この先イバラの道」だったりする。
評価した結果どうなったかもフォローして、いうならば評価の評価を受けて初めて、評価本は権威を獲得できる。「採点し逃げ」では、ピンポンダッシュと同じだからね。
評価された後の影響力を考えず、「星が何個ついた」だけピーピーキャーキャー騒ぐメディアも、無責任だわなーとは思う。
しょせん、メダル何個、星いくつ、お天気マークだ傘マークだと記号に踊らされる国民性でもあるから、魚心あれば水心で、それに輪をかけて評価されたがり店も後を絶たない。
結局ニュースバリューが拡大生産されて行くだけで、乗った店の味がよくなるわけでも、客の質が高まるわけでもない。
最初に関西に「タイヤ」が乗り込んできたとき、たしか京都だったか、掲載を断る老舗店があったので話題になったものだ。気骨がありますな。
星2つだ3つだと一喜一憂しながら、客を並ばせて鼻高々でいる勘違い店は、潮が引くように客足が遠のいて当然だろう(つぶれてよし!)。
「ミシュランの評価を返上した店」こそが、七つ星レベルの評価に値するとワタクシは思うので、明石・加古川・姫路市民は、ぜひ評価後の副作用に気づいて、2012年のミシュランガイド播磨版(?)に備えていただきたい。
次は広島・門司・博多篇あたりに飛ぶかもしれないが・・・
赤穂や牛窓、福山、尾道あたりに、「ミシュランどこ吹く風」の名店が、ひっそり常連客の舌と心をとらえていたりするのではないだろうか?
ミシュランガイドの余白を読む方が、賢明なグルメ道楽といえそうな気がする。
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