前にも誘われたのに、仕事の都合で泊まらずにデイユースで引き返してきた市営リゾート施設に、昨夜は一泊してけさ散会となった。
スポーツ競技場がいろいろあれど、目玉は温泉、リハビリテーション専門病院や特養が併設されているところをみると、コンセプトはシニア向けなのだろう。
大阪の下町暮らしの前事務長さんは、緑したたる窓の外の遠くに団地が見えるだけの人工的な施設に、「味気ないですねー」とため息をついている。右に同じ。
どこかで見覚えのある総合保養施設やな・・・と思っていたら、国民休暇村の市営バージョンなのだ。
なるほど、昭和の国おかかえの安宿で、国民宿舎というのがあったっけ。
浅間山の近くの高峰高原ホテルなんてしゃれたネーミングの国民宿舎には一度だけ泊まったことがある。老朽化した垢抜けない建物ではあったが、安さ爆発。ビンボー学生の山旅にはおあつらえ向きで、山小屋よりは豪華だった。
国民宿舎が大きくなって、付帯設備がいろいろつくと、国民休暇村。これも、妙高山麓で一度だけ泊まった。
別にテニスをするでもなく、合宿でもないので、山仲間と二人だけで妙にだだっぴろい部屋を持て余しつつ、安さは爆発していた。
国民の余暇消費は国が施設を提供する古き良き(?)時代の旅の宿は、さんざん家族で簡保センターを利用していた立場としては違和感はないのだが、国民一般は寄りつかなくなり、いまや国民休暇村構想は身売りに閉鎖に民営化。
まだ公営でがんばっているところもあるようだが、自治体ごとの個性を打ち出そうと考えた神戸バージョンが、「しあわせの村」だったようだ。昭和末期に「開村」して、なんとか持ちこたえている。
市民は割安、さらに障害者割り引きやシニア割り引きでガクンと安くなる。
大浴場は広々としていて、食事は可もなく不可もない及第点か。1泊2食つき1万円前後だと、なんとかコスパ合格。
オフシーズンながら、けっこう泊まり客はいて、どこでどう情報キャッチしたのか、中国人グループも投宿している。
確かに、三宮や心斎橋のシティホテルが満杯だと、目先を変えてこういう「施設」を利用するのも裏技になっているのか?
ただ、施設の外に観光する場所は皆無。ここは神戸なのか北陸なのか九州なのか、漂白されたような味気ない箱庭だ。
周辺には茫漠とニュータウンが広がっていて、クルマで温泉に入りにくる近隣住民にとっては健康ランド感覚かもしれない。
市民にとってはシニア向けの印象が強いので、最近はスポーツ競技場も増やして、研修室やトレーニングルームなども増設して若い世代の利用促進をもくろんでいるようだ。
市街地からバスのたくさん出ていて、決して遠くはないのだが、まずネーミングが凡庸すぎるね。「いこいの村」「ふるさと村」のような当たり障りのない役所の発想で、オープンして30年以上たつのにオーラのような、土地の魅力がにじみ出ていない。
いざ泊まってみると、設備は割安感満点なのに、まず観光地ではないし、ここからどの観光スポットへ足を伸ばすにも遠い。まるでリゾート版の「寝に帰る」ベッドタウンでしかない。このへんは惜しいなぁ。
神戸らしいといえば、神戸ワインを出しているぐらいで、日本酒は銘柄を尋ねると西宮の白鹿だった。
値段がはねあがるが、神戸ビーフを出せないものか??
それが無理なら、せめて灘の銘酒をいろいろ飲み比べできるとか。
近所に市営の農業公園もあるんだから、神戸産のイモや蓮根、玉ねぎもアピールできるだろうに。
そのへんは経営感覚をもとっと研ぎ澄ませば、ロンリープラネットにも載るようになると思う。
となったあかつきにも、うっかりカップルが予約すると、妙に色気も味気もない修学旅行気分のホテルだなーと気づかされるね。
食べ歩きする場所もなければ、夜景ビューもない。
廊下で家族連れの子供が走り回っていたりするし(苦)。
ただ、カップルがアクロバチックなことをしでかして痙攣すると(どんなんや!?)、となりが病院なので処置は早いぞ。
お客さん、何やってたんですか抜けません!!!!とかなんとか(笑)・・・いい思い出になるかもかもしれません。
幾星霜連れ添った夫婦の気分にはなれましょうて(^o^)v
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