衝動買いしてしもたがな、『ニッポンラジカセ大図鑑』。
実家にあった CFD-5 も、今も現役のヨコハマリバース CFS-F11も、ちゃんとリストアップ。泣けてくるな〜
レトロブームをあてこんだフィルムカメラやオーディオカセット、BCL ラジオのムックはさんざん出ている。
BCL ラジオを除けば、それも入門者向けの内容なので、目新しい切り口がうかがえない。この大図鑑も、ラジカセ史、カセットテープ規格、入手とメンテナンスのツボ、と定石をおさえた編集になっている
。
たぶん、二十代の読者にとっては「親父が昔はまっていた昭和家電」のカタログでしかないだろうし、その当事者にとってはミュージックテープやインデックスカードとは「テープを渡す相手への想い」がよみがえってくる回春剤みたいなもんだ。
というわけで、親子で楽しめます(笑)。
ラジオと合体したカセットは、70年代にはダブル化と多バンド化(短波に加えて TV まで!!)、ハイファイ化=メタルテープ対応、ドルビー搭載を進め、82年に CD が登場すると CD ラジカセなるジャンルを打ち立てる。レンタルで借りてきてシンクロ録音するのに重宝する「ハイファイ小箱」だった。
このムックでは、昭和末期のバブカセ(バブルラジカセ)までがまとめられていて、ラジエム(CD ラジオ MD レコーダーといえばいいか?)には触れていない。やはり、カセットが主役だったのだ。
たしかに、CD→MD シンクロ録音になると簡単かつ完璧すぎて、失敗あっての録音のヨロコビ(?)みたいなもんがない。
LP レコードからテープにダビングして、A面が終わるとすぐクイックリバースでテープが逆転してB面が始まる――この、レコードの裏返しの手間を解決してくれるオートリバースは、ドライブデート野郎のマストアイテムだったな〜
ビー・ジーズやアース・ウィンド&ファイアーを満載したノリノリのA面から一転、八代亜紀とちあきなおみでしっとり泣けるB面の2部構成が、オーディオ野郎のデート成功への脚本だったのであーる!(わたしゃ自分劇場をモーソーするだけであったが)
そんな時代の顔が、カセットをはさんで2スピーカー・システムのラジカセ。どいつもイイ顔をしている。
ラジオやCDを再生して録音ボタンを押すだけ(電圧レベルもバイアスも調整不要)というのが、画期的。録音という作業の面倒くささが女子とオーディオを遠ざけていたところへ、ラジカセの貢献は大きかった。ボタンひと押しで、同じクォリティのミュージックテープができあがるわけだから。
そして、中高生の部屋に標準装備されたラジカセは、次の格差社会へのステップとなる。
「少し意識高い系」は、ミニコンポへステップアップする。
すでに 70 年代に、松下さんのコンサイス・シリーズのようなシステムコンポはあったが、インテリア性を競いつつ音質もラジカセとは一線を画する本格的な音質は、「デンオンのコンポ買ったら、音がまるでちがうねん。カシオペアのセクションが全部きれいに立って聞こえる!!」とかなんとか、部屋にラジカセ少女を招き入れる口実になったもんである。ラジカセは少年少女、コンポは大人の家具ということで。
中には、「私、テープは2トラさんぱちで回してる」「3wayスピーカーは定位がイマイチよね」なんてマニヤ少女も吹奏楽部にいたりはしたが、恐れられるだけ(苦笑)。
学生時代までにオープンリールも回したし、真空管アンプも作ったし、パラゴンは部屋に入らなかったがタンノイに静かに耳を傾けてオーディオ道の3合目ぐらいまでは登ったけれど、ラジカセはオーディオ道1丁目の道標のようなもので、「初心忘れるべからず」ですな。
いまさら、おにゃごを部屋に呼ぶ口実にはならんけど、ラジカセは貸し出すのも簡単でいい。
わざと取り説なしで本体を送って、「ボタンがいっぱいあるけど、どこをどうやったらカセットっていうのが聴けるの?」とメッセージが届くと、出動である。ムハハハハハハ
今も昔も、よこしま野郎の道具は健在であるね^^;
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