2004.09.30 Thursday
非才見舞い
at 2004 09/01 11:53 編集
新学期スタート!と、お定まりのニュースを聞くたびに、あのなー勤労者の夏休みはとっくに終わっとる!プロレタリアートに2学期なんかないわい!と思うのだが、今さら反論してもどうにもならない。
たしかに、ラッシュアワーの通勤電車なんかは、大学生ぐらいの層も何%かいるせいか、休み中はすくし「新学期」には混雑もする。
児童・生徒がいる家庭だと、やはり生活パターンも違ってくるのだろうと思う。
でも、「お子さま暦」を中心に社会が回っているのは、やはり変だ。
もし子供を大切にしている社会なら、なぜ出生率が下がり続けるのか。
夏休みの宿題をやってあげるマニュアル本が、腐るほど出ていた。「親子で楽しむ○○」の類。
ふだん学校と塾に管理されている子供は、夏休みぐらい解放してやれよー、と思うが、祖父母とママは放っておけないのだろう。
ちょうど2学期が始まる今日は関東大震災の勃発日。
地震や台風に遭ったときどう助かるか、被害からどう復興するかが、知恵の見せどころだ。
そこで、夏休みの宿題は災害シミュレーションにすればいいと思う。9月1日に富士山を噴火させる、飛行機が六本木ヒルズに突っ込む、「関東阪神以外大震災」が起きる・・・そのときサバイバルできるか(ブルジョアは潔く即死できるか)、機敏に救援ボランティアに行けるかで、2学期の成績をつければよろしい。
そんな対策まで、日能研や希学園あたり、夏期講習で始めそうなイヤな予感も・・・。
「関西にある活断層の位置を地図に記入しなさい」
「地球上のプレートの名前を全部あげなさい」
なんてお勉強を、冷房の効いた教室でハチマキしてつめこんでいるところへ、不意にピカドン!と一撃。
「ウグググググ・・・せ・せんせい・・・今のは何ですか。1、雷。2、核攻撃。3、隕石。ひとつ選べ」
「せんせい国文科の院生だから、わかんないよごめんね・・・」ガクッ
とまぁ、こういうのは畑の有機肥料になってもらうしかない。
メッセでっせ
at 2004 09/02 14:45 編集
町内にあるのに、めったに行かない東急ハンズ。ハンズメッセぐらいでしか、行くきっかけがない。
ハンズメッセも、冬はなんとなくにぎわっている気がするのに、なんで夏は8月末からなんだろう。7月20日からにして、「リゾート・モード」で品揃えすれば、もう少しパッとすると思う。
が、提案しているつもりの僕が買ったのはハンディ・マッサージャーだから、季節感まるでなし。あー効く効く・・・極楽。
もしかすると、こんな健康グッズの専門店があるのかもしれないが、知らないからハンズメッセで目についた→買ってみるか、というだけの話。
ハンズでの買い物は、こんなパターンが多い。
ある程度の知識があれば、手芸用品はユザワヤに行けば確実だし、工具類はコーナンに行くし、アウトドア用品なら好日山荘、家電はジョーシン・・・と、専門店が半径1km内に思い浮かぶ。文具・事務用品だと、富士商会という大学生協みたいな全品2割引の店があって、ハンズより売り場は狭いのに、とにかく驚異的に何でもある。
あとは、そんな専門店に足が向くか、「ハンズでいいや」とかたづいてしまうかの問題。
扱っているものが悪いわけでもないし、ふだんの値段の高さも店員サービス料込みだと思えば納得できるのだが、百貨店化すると、こだわる客からは敬遠されるのかな。
デパートが家電や本から手を引いて、高級ブランドものと地下食品(と書くと怪しい匂いやな)で勝負しているように、ハンズも「勝負どころ」を見せてほしいと思う。
やはりDIY精神というか、せめてテイストだけでも死守してほしいものだ。
組み立てキットなんかもいい。うまくできないときは名人級の店員がサポートすれば、固定客化できる。
大昔はプラモデル職人みたいな人があちこちにいたものだが、今はフィギュアショップとか、「そっち系」に濃厚な客が集中している。下手すると「おたくハンズ」になってしまうから、鉄道とかフィギュアの禁断の世界には踏み込まず(ハンズの真南200mにオタク解放区と化したビルがあるわい)、「日曜大工」「クラフト」「アート」路線で行けばいい。
まぁ、Nゲージ屋さんなど「俺たちゃHOゲージより繊細なアートなのだ」と自負しているのかもしれないが・・・(僕は決して鉄道模型に手を出したことはない)。
たぶん、、手作り大国のアメリカあたりと比較して、あまりにも法規制が多い日本だから、ログハウスとかリフォーム、手作りカー&バイクも、「自己責任でやります」といっても、何かと規制にひっかかるだろう。それが、ハンズのような店にしてみれば、手かせ足かせになっていると思う。
ログハウスキットを自分で組んで住みたいと思っても、火事になりやすいとかでほとんどの住宅地では建てられない。
車やバイクの改造も厳しく制限されていて、せいぜいアクセサリーを買ってつけるぐらいしかカスタマイズできないようだから、手作り派は腕がうずくだろう。
ハンズには、あんちゃんたちには料理教室を、おねーちゃん向けには大工教室を企画して、「大人の家庭科」路線でがんばってほしい。
うまく行けば、独身者はますます「パートナーいらず」になってしまいそうだから、究極は「彼氏ロボット・キット」だろうか。
画像や人形を彼女の代用にしている先駆者は五万といるから、それがついに女性にも普及して行く!・・・か?
浅間2000というスキー場はどうなるの?
at 2004 09/03 06:18 編集
浅間山の噴火は、地元でも東京でもわりと落ちついているのが意外だった。
首都圏の一部のようなエリアだから、火山灰で農家が大被害を受けている面に、ピンとこないせいかもしれない。三宅島の例も身近なはずなのに。
火山の噴火といえば、五木寛之氏の小説『にっぽん退屈党』(文春文庫)を思い出す。これは浅間山ではなく、富士山を噴火させてしまった革命家集団の物語。
先生の勧める少年文学全集の類は無視して江戸川乱歩にはまっていたほどのアンダーグラウンド・ロマン愛好者の僕が、二十歳ごろ読んで戦慄を覚えた名作だ。
浅間山や阿蘇山は、噴火しても当然なほどありふれた火山のようだから、いくら祟りだ何かのお告げだとフィクション仕立てをあおっても、国民のほとんどは地球物理学の方に耳を傾けるだろう。
そんなご時世だから、おもしろいのは、槍ヶ岳が岩の円錐のように見えて実は中がアポロチョコレートだったとか、八ヶ岳の「にゅう」という変わった名前の(乳頭形をしている)ピークが実はミルクをほとばしらせる悩ましい山だとか、そんな類の「トリビアな地球物理学」だ。トリビアどころか、むしろ「トンデモ科学」かもしれないが。
でも、サンダーバードにはまっていた少年なら、どこかのシュロ並木を見かけると、それがさーっと倒れてサンダーバード2号が発着するシーンを夢想していただろうし、月を仰ぎ見ては「謎の円盤UFOとムーントランスポーター」を探していたものだ。
僕は「地球防衛軍親衛隊幼年学校生」だったから、滝を見るとウルトラホーク3号が出てくるのではないかとわくわくしながら眺めていた。山肌がズルリッと動けばウルトラホーク2号ノースゲート・オープン!である。
八ヶ岳の麓で僕を逆ヒッチハイクしてくれたあんちゃんも、飛んでる人だった。
いま当時のコースをたどってみると、なぜあんなコースでもない草原の小道を歩いていたのか自分でもわからないし、ぽつんとたたずんでは彷徨する登山者らしからぬ人物となぜ遭遇したのかも不思議だが、ともかく廃品回収業者に逆ヒッチハイクされたのだ。
メールなどない時代だったから、住所を交換して別れたら、「私の師匠の本です」と送られてきたのが、五次元世界がなんとかかんとかという本。
たしか五井野正という著者で、むやみにマイナーな国の勲章や聞いたこともない外国大学の学位をいっぱいもらって記念写真をとりまくっているダテ男(に見えた)だった。
ただ、この「弟子」さんはさっぱり押しの強くないさわやかな人だったので(うさんくさいけどねー…と苦笑する、世捨て人のようなキャラクターだった)、残念ながら僕は「五次元世界」には連れて行ってもらえなかった。
先日アテネで優勝した野口みずきの注目点は、ツチノコを見たとか、UFOが飛んでいたとか、NHKで巧妙にカットされるような発言をしていることで、あの方は美内すずえの世界に行きそうなテイストを感じる。がんばっていただきたい(何をや)。
野口みずきテイストの人は、陰陽道より、やはり『ムー』の方を愛読しているのだろうか。
宇宙と更新するおじさんとか、波動を感じるワおねーちゃんとか、アムウェイ洗脳主婦とか、いろんなトンデモ人種に出会ってきたけれど、残念ながら僕自身は、まだ「あっちの世界」にも「そっちの世界」にも行けてない。
これはスゴい!と開眼するような、上出来のフィクションに出会えていないだけかもしれないし、色と金から逃れられない世俗べったり人間だからかな?
金星人(とやら)の恋人でもいたら、「金星に地球の金は持って行けないよ」と説いて巻き上げてしまいそうだし。
あぁ、そうか、だから地球人とは御縁がないのか。
行っちゃいそう、行っちゃいそう・・・(笑)。
カールツライっす
at 2004 09/04 11:55 編集
台風のおかげで急に涼しくなったと思ったら、きのうの出勤途中の並木道に、もうギンナンが落ちていた。ちょっと早すぎるんでないかい?
小中学生が、くさいくさいとキャッキャ笑いながら小走りして行く。キミたちも、ギンナンの茶わん蒸しには文句はないでしょうに。
のどかな朝はいい。
夏男としては、このまま足早に夏が褪せて行くのも寂しい。
どの季節もそれぞれに趣があり・・・と皇太子トークをするつもりはない。秋の空気感は格別だ。山の緑も目から1枚ウロコが落ちたように鮮やかに見える。
こんな透明な空気感には、カール・ツァイスだ。
というわけで、また病的なくせで、CONTAX印のデジカメを買ってしまった。電脳ショッピング判事の裁きを覚悟しつつ(笑)。
突っ込まれる前に重々承知しているのは、「CONTAX印」であってCONTAX製というわけではないから、どれほどの違いがあるのかといえば、「あるようで、ないようで」というしかない。
しょせんデジタル写真の世界だから、「どうです!バリオ・テッサーの描写は」「バリオ・ゾナーとどう違うのだ?」なんて論争をしたところで、どう味つけされているかわからないのがデジタル画像。どうにでもごまかせる。
撮った本人ですら、「最終データ」は永遠に完成しない。ある意味、絵画や彫刻みたいなものか。
フィルム125分の1秒とか、4000分の1秒の一瞬で、ネガとかポジという最終データが残る。これは版画の世界に似ている。
だから、どっちが芸術的か、高級かと対決をしても不毛だ。
パトローネ(イルフォードのパトローネ・デザインは秀逸だ)に入ったフィルムをカチャリと充填して、玉虫色に光るレンズを選んで装着し、ガバナーと歯車の感触を楽しみながら撮影する・・・こんな作業は、それ自体に情念を刺激する何かがあると思う。
撮ってどうレタッチするか、なんて楽しみはない、というか考えなくていい。
では、なぜデジカメを買うのかといえば、「つまらなさを実体験して、性懲りもなく再確認するため」という妙なことになっている。
立派な病気である。
財布
at 2004 09/05 11:41 編集
どうせカスしか当たらないだろうに、「5000円お買い上げで福引き1回」のために、よけいな買い物をするはめになるハンズメッセ。
つくづく、まんまと店に乗せられる小市民やなぁと自己嫌悪にさいなまれる。
せめて、「今はいらないが、いつかいる」ものをと考えて財布を品定めするが、こんなのはスーパーや地下街や、駅のコンコースでさえ1000円均一で売っている。
でもしかたない。本当に、「今はいらないが、いつかいるもの」がほかにないのだ。
財布売り場に群がる客には、なぜ「趣味は貯金なのさ」というオーラを発散させているオババが多いんだろうと疑問に思いながら、自分もオバサン化していたかもしれない。
飽きて買い換えるようなことは、財布にはまずないことで、たいていほころんだり落としたりして、しかたなく新調することしかない。1〜2年の周期だろうか。
ところが、今の財布は5年ももっている。無骨で、特に愛着もない「バッタもん」だが、こわれないし、特に不満もない。
気分転換に別の財布に浮気して使っていたら、落として散々な目に遭った(現金や回数券は抜かれて、残骸だけ警察から通報をもらって引き取りに行った)ので、また戻ったのが今の財布。経験はないが、なんだか浮気でヤケドして古女房に舞い戻り「やはり戻ってくると思ってたさ」「かーちゃんごめん!」なんて会話をしたような気分だ(笑)。
とすれば、またぞろ浮気心を出して、なにか災いが起きるのかもしれない。
そんなジンクスをかついで手を出せないでいると、なんのための買い物なんだか・・・。
罪なバーゲンである。
進度4
at 2004 09/06 07:25 編集
きのうの夕食後のグラグラ、おまけに夜中にもグラグラ・・・けっこう長時間の地震はこわかった。9年前は熟睡中だったから、「わけわからんうちに生き埋めになっていた」というドタバタだったが、意識がはっきりしているからこそ、こわい。
それにしても、「NHK和歌山放送局では、机の上のパソコンが落ちたりすることはありませんでした」てな形容は、どんな意味があるのだろうか。実際に、一般の民家では、階段から落ちて骨折したりしている被害者が入る大地震だったのだ。
犠牲者6400名の阪神大震災でも倒壊しなかったような頑丈そのものの放送局を基準に、「それほどでもなかったよ」といわんばかりの報道は、完全に庶民感覚とかけ離れている。受信料ボイコットされまっせ。
最初は突き上げるような縦揺れで、つづいて横揺れが続き・・・ともっともらしい用語で「わかった気」にさせないでほしい。
舗装も造成もしていない地面の上でナマの揺れ方を感知している人間なんて、まずいない。
床がチープな一軒家だと縦にバウンドして縦揺れに感じるし、免震構造の建築の中にいれば横揺れするわいな。
こんな環境の違い、錯覚、不安心理etcetcを横に置いて、縦揺れだ横揺れだと断定するのは、素人を惑わせるだけで百害あって一利なし。
そんなことがわかって、どうなるというのだ。「縦揺れにはうまく縄飛びしていると被害を受けません」とでもいう気か(笑)?
「津波は時速500kmで進む」という情報も驚きだったが、沿岸部でも100kmで押し寄せます。決して見に行かないように!という放送は、やんちゃなサーファーに「それ行け」とけしかけるメッセージにならないのだろうか。
震災報道はまだまだ情緒的で、あまり進化していないような気がする。
予知能力
at 2004 09/07 15:14 編集
また、いやーな揺れが長く続いたと思ったら、西には台風。これも不思議なことに、雨がさっぱり降らないで、熱風が吹き荒れている。
ニュースで「河船の増水や氾濫に気をつけて」といわれても、ぴんとこない。いっそ、ふだんゴミや汚水をほかされているばかりの川が「反乱」したり・・・というのは困るけど、雑炊が流れるとありがたいかなぁ・・・いや究極の生ごみかもしれんなぁ・・・とバカなことを想像してしまう。
こんなに天変地異がたて続けに起こると、「これらすべて大地の神の怒り」「宇宙の波動の歪み」てなことを口走る部類も出てこないのだろうか。
「なんでもかんでもユダヤの陰謀説」の落合信彦は、少しトーン・ダウンしたご様子だし。
この手のシナリオは、天変地異を何かもっと大きな変化の予兆だとこじつけるパターンと、大きな力が働いた結果だとこじつけるパターンに分類できるようだ。
プレート・テクトニクスもいいが、せっかくだからファンタジーを楽しみたいし、うならせてくれるようなトンデモシナリオを、だれか唱えてくれないものかね。
宇宙エネルギーとか霊の力とやらはもう飽きたから、すべて元凶は自民党とか、もすこし現実的ないいがかりもあってもいい。
ただ、クラスや職場で「あいつが魔の世界の使者だ」てな話になると、人身御供にされかねないこわさを感じる。実際そうされてきた当の本人として(笑)。
シナリオを楽しむより、「自分だけサバイバル」を考える現代人は、超能力願望を持つようだ。
どこでもドアで酒池肉林に入りたいとか、たけコプターで満員電車から免れたいとか、他愛もない超能力はすぐ飽きそうだから、やはり究極は予知能力だろうと思う。
これだと、単純に札束をホイホイ出せる超能力より、買った株が株式市場で大化けするとか、ハルウララが天皇杯を制するとか、200枚買った宝くじが全部3億円当たるとか、もうかる前の楽しみを味わえる。
ただ、600億円の成り金になったとたん女狐にもてまくったり、あげくの果てには暗殺される最期まで予知できるとすると、つらい。
それにしても、なんだか「東海道沖大地震」が匂ってしかたない。
なぜか必ず生き残ることになっている政財界のお偉方が、じわじわと熱海・伊豆・箱根の別荘をたたみ始めると、やばいと思う。
ピーターさん、どうなんですか!?
新快速湯
at 2004 09/08 06:10 編集
土砂降りに遭うぞ遭うぞ・・・と思って外出したら、結局ほとんど雨は降らないまま、台風は去って行った。
たしかに風は強かったし,海沿いの国道2号線は潮に浸ったりしたようだが、あまり被害がなくてよかった。
ただ、帰宅ラッシュ時の神戸以西のJRが止まっていて、小パニックになっていた。
で、近所のコンビニがどこも大繁盛していると思ったら、帰宅をあきらめて職場かホテルかに泊まる人が多いのだった。
よほど、「歩いてすぐのトーホーストアに、安くてうまいオリジナル弁当あるよ」と営業したろかと思ったが、急なお泊まりモードになると、やはり頼れるのは
コンビニなのかな。
ところが、夜中前にJRが運転再開してしまった、
充分、明石でも姫路でも淡路島でも帰れる時間だ。
ホテルなんか取ってしまった人は、運が悪かった!
こんなときこそ、「いつ運転再開するかわからない」鉄道会社は、列車ホテルをスタンバイさせておくのが良心的というものではないかと思う。
こうすると、「寝て起きたらホームタウンに着いてた」だとラッキーだし、動かなくてもダメもと。
僕はスキー帰りに持急の列車ホテルにめぐりあったことしかないが(災難だと思うのは損。特急料金返してもらって寝泊まりできて飯がつくのは棚ボタだ)、在来線では未経験だ。
リクライニングシートでないのは少しつらいが、まあ珍しい経験にはなると思う。
こんな非常時だけはしかたないから、女性専用車を朝まで確保するのもいいでしょう。
そして!その隣の車両に、列車ホテルというからには、「浴場車」もl両ほしい。貨車をつないで湯を注げば、けっこうな大浴槽になるはずだ。
もちろん周囲から注目されてしまうから、瀬戸大橋とか関空連絡橋とか、餘部鉄橋の上に停めておけば大丈夫。
絶景だし、料金とってもいいぐらいだと思う。
バカなことを・・・と鼻で笑われそうだが、69%は真面目。
そういえば先週、廃止になる南海貴志川線を救うには?という番組をNHKでやっていたけれど、元手さえあれば僕は鉄道を買収して、列車ホテルを経営するね。浴場車は名物として必ず編成に入れる。
赤字線は風光明媚なところが多いから、うつりゆく車窓風景を眺めながら、10km/hの運行・・・というのもいい。全国全世界から鉄ちゃんが来てくれそうだ。
よく豪華客船が甲板にプールなんぞ装備しているが、ありゃ恥ずかしいスノビズムだ。まわりは海なのに、なんで毛唐どもプールにこだわるねん。
泳ぎたいやつは飛び込めばええんじゃ。置き去りが心配なら、生け簀を曳航して、そこで泳がせる。
やるなら、風呂である。満点の星空を眺めながらの、究極露天風呂になるぞ。
客船だとスケールが大きすぎて夢物語にしかならないから、手近なところで鉄道となるわけで、世界一熱い日本の鉄人なら、きっと実現してくれると思う。
列車ホテルに、列車喫茶店、列車病院、列車葬式・・・
救急究明士
at 2004 09/09 14:53 編集
「今日は救急の日ですよ」と報じるNHKが、何度も救命救急士と呼び間違えるほど、専門の資格がまぎらわしいのは何とかしないといけない。救命救急センターと救急救命士があるのも、ややこしい一因かもしれない。
いっそ名前を変更して、「命お助け士」では間が抜けているとしても、スカッと一語で納得できる名前はないものだろうか。
そして「究明士」というのを新設する。弁護士や警察や検察が追究してくれない難問にメスを入れる専門家だ。
にせ温泉を暴いたり、スイカップに札束をねじこんでいたNHKの不正経理を糾したり、仰天の「読売タイガース」構想をスッパ抜いたりするのが初級(審査員はテリー伊藤)。
そこまでは命の危険はないが、中級になると、マル暴と芸能界と政財界とのおつきあいを暴く。ヒヤヒヤ…
上級は天皇の戦争責任まで行かないと…。ズドン!
国際A級、B級なんてのもつくって、「アジアで少年少女買春している欧米人の実態」は小手調べかな。
命さえあれば、ユダヤコネクションとマフィアとバチカンの関係まで、解明できるかもしれない。
それは冗談半分として、「究明しない士」が多すぎるから、どんどん血税や受信料や保険料がむしり取られるがままなのだと思う。
いま話題の、「逃げたり頬かむりしたり隠したり」略してNHKは、せめて受信料の使い道として職員の年収は公開すべきだろう。プライバシーだ?しゃらくせえ、「給料の出所」に使い道を説明する義務はないってわけですかい?
民放キャスターは、だれが何億円かせいでいても、納得できなければそいつの出ている番組のスポンサーをボイコットするなり不買運動するなり、働きかけはできる。
そんな回路が閉ざされているのだ、NHKと役所の仕事ぶりには。
願わくば、草野さんあたりに、「今だからいえること」をぶっちゃけてほしいものだ。ワダベンの下半身も含めて。
不適切な市
at 2004 09/10 15:22 編集
「本場」では当たり前にあるプロ野球のストが、日本で実現するかどうかの瀬戸際交渉。
ファンにとっても球団にとっても選手にとっても不本意だろうが、ここまで実力行使できるようになったのは、意味があることだと思う。
そう思わせる効果があったのではないかな、あの「たかが選手ごときが」発言は。
上から高圧的に権力をふりかざす悪役は、いるだけの値打ちがある。
おかげで、みな目覚めて、野球は選手とファンあっての文化なんだという当たり前のことに立ち戻れるから。
あまりマネージメントがでしゃばりすぎると、ろくなことにならないと思う。
いっそ、マネージメントがうまく行かない事業は、行政がやればいい。銀行も国有化される例があるように。
そこで、近鉄は藤井寺市か大阪市が、ブルーウェーブは神戸市が買収して、公営球団にする。これこそフランチャイズの極みだ。
バカみたいな市営空港を造る費用の100分の1ぐらいの費用ですむだろうし、「全員公務員のプロ野球選手」というのは世界の注目をあびて、キューバと友好関係もいっそう強くなる(笑)。
逆に、採算を度外視して市民にツケをまわしているような市営空港なんぞ、オリックスに下取りしてもらえばいい。飛行機をリースしている会社だから、空港リースでもかせいでもらえば「いい流れ」ではないか?
ついでに市長もリースでいい。ゴルバチョフとかジュリアーニ元NY市長とか、マジソン郡で「不適切な関係」にふけったクリント・イーストウッド元カーメル市長とか、おもしろどころを借りてきてほしい。
ついつい郷土愛?から手厳しくなってしまうが、今の市長なんて、土地と結びついた顔ではなく、小役人そのものが談合で票を集めただけ。だから、「グリーンスタジアム神戸」が「ヤフーBBスタジアム」になってしまうのだ。これがもし隣の芦屋に「グランドメゾン田園調布」なんてマンションができたら、地元が許さないざます!
いくらオーナーが地元出身だといっても、地元が喜ぶ球団経営をするとは限らない。
京都や大阪だと、出身者が軽率なことをすると地元が黙っていないはずだが、神戸は「好き勝手にやってお咎めなし」だから。なんだろうこの街は。
もう、オリックスにやる気がないなら、本拠地を神戸に!なんておねだりは、誇らしくやめた方が潔い。地元球団がなくなっても、世界から偉人をひっぱってくれば、市民は軽薄に浮かれて幸せだ。いまだに異人館でかせいでいる街なんだから。
個人的には、「ビル・クリントン神戸市長」なんかいいと思う。実現したころには、「妻は大統領ぼく単身赴任中」とまぁ、男女共同参画者会の鑑にもなりそうだ。
それもまた空港の何百分の1かのスカウト料を積めばできるはずだが・・・。
第2ラウンド
at 2004 09/11 15:06 編集
よかったのか悪かったのか、「プロ野球スト回避」となると、「台風がそれた!やれやれ」と同じトーンでうけとめてしまうのは、まぁ球場近くの商売人ならしかたない。
でも、交渉そのものは「失敗だった」と僕は思う。
何ひとつ、確約を取りつけられなかったから。
結局、パリーグ5球団で行くと確認させられた。つまり、合併を追認したということだ。
新しい球団も参加できるようにしたいね、と曖昧な合意だけはしたものの、現に名乗りをあげてる会社があるんだから、ずばり「ライブドア・バファローズ」を認めるかどうか、具体的に俎上に乗せてなんぼの席ではなかったか。6が5にされ、また6を勝ち取ってはじめて、選手の雇用問題はセーフである。
ところが、今回の交渉は、ふたをあけてみると「近鉄とオリックスを1つにして、選手の雇用問題半分リストラ」案を呑まされたという結果。そりゃ経営側が笑顔で握手を差し出しても、古田は憮然と拒むわなぁ・・・。
古田もよくやった、ねぎらいたい、野球に専念してほしい、と思うせいだろうか、「どのメディアも本当の採点」をしない。
たしかに、よくやったと思う。古田は個人的には偉いと思うし、類い稀な知将タイプだろう。
しかし、選手4人vs12球団経営者というアンバランスも問題だ。人数で威圧するというのは、労働運動の基本中の基本だろうに、これじゃーリトルリーグvsプロ野球だ。
いたずらに長引くと、味方だったファンも離れて行く。「5回コールド勝ち」できるぐらいの短期必勝作戦に期待したいところだ。
チャーリーとエンジェル
at 2004 09/12 14:19 編集
座間基地に「赴任」したジェンキンスさんは、妙にかっこよかった。
きちんと軍に戻る手続きをして、「軍人としての罪を問う代わりに軍人であるから月給36万円を支払う」という事務処理は、一応のフェアプレイだ。不謹慎な邪推だが、曽我さんも「あなた、やはり軍人でいなさい。あなたには国民年金ないんだから、この方が得よ!」と耳打ちしてたりするかもしれない(失礼)。
脱走したときに時計を戻して、そこから身分上の処理をしなおそうというのは、軍隊ならではの体面だろう。
「日本で家族仲良くしてるんだから、罪を問うな」と人情話にもつれこむ世論に対して、こういう理屈も使える、こう処理すれば整合性が崩れない、とロジックを究めるのは、政府なら当然すべきことだ。
そこで大衆人気に迎合して政治家がロジックを都合よく曲げたりすると、ヒーローになってしまう国と、アンフェアとして非難される国があるように思う。
だから、こんなときこそ、わが国では皇族発言が鶴の一声として響いたりする。
「ジェンキンスさんに対して、不当な人格攻撃が目に余ります」
と記者会見してもらうと、いくらジェンキンスさんが飲んだくれても、チュチェ思想の本を読んでいても、日本人みな味方になる。
セイン・カミュとかパックンマックンあたりのファンキー外タレが活躍している芸能界には、あの世代の渋い(爆弾発言もしてくれそうな)外国人がいないから、「ジェンキンス枠」のようなものがすでに用意されているのではないだろうか。
まぁご家族にとっては気をもむことになるだろうが、アメリカの退役軍人が運命のいたずらで妻の祖国に来日することになって、余生をどう過ごすかは大事なことだ(もちろん、北にいるより希望はあるだろう)。
現役の米軍人と違って、日本語を習得する必要もあるし、年金がないから働く必要もあるし・・・。
それ以上の詮索はプライバシーに触れるからさて置くとして、ちょうど先日「徹子の部屋」に出ていたロザンナさんと、若い頃のイザベル・アジャーニのような美貌の娘さんを見て、ついの祖国というのを考えさせられた。
ヒデと一緒に仕事をしていた国、子供が育った日本国に、ロザンナさんはすっかり同化しているように見える。自由に行き来できるとはいえ、イタリアの家族との御縁もあるだろうし、気持ちの整理をつけるには年月がかかっただろうなと思う。
もちろん、ロザンナさんは自分の意志で来日して、仕事で生計を立て、生まれた子供が母親にとっての外国を母国として育ったというのが、同化できる強力な要素になったと思う。
その要素がないジェンキンスさんのつらさは、ついお察ししてしまう。彼の祖国はどこになるのだろうか。
「親子4人仲良しショット」に目を細めているだけの人情話ですませてはいかんと思う。
こんなケースは、日本の社会保障の守備範囲という問題を浮き彫りにしてくれる、リトマス試験紙にもなる。
焼き鳥バファローズ居酒屋ブルーウェーブ
at 2004 09/13 06:38 編集
労働運動や反戦運動、学生運動、住民運動etcetcが昔のように目に見える形で盛り上がらない、という定説もある一方で、プロ野球選手のストは臨戦状態。
おかげで国民の関心が集まっているのは、いいことかもしれない。
草の根の運動はとりあえず好意的にクローズアップする朝日新聞に、60代の紳士の投稿が載っていた。かなり踏み込んでいて、思わず行け行けエールを口走りそうになった。
選手がストをするなら、ファンもストをやろうというわけで、つまりは不買運動のすすめである。
ただ、広告収入で成り立っている新聞に、この種のメッセージが露骨に出ることは自殺行為だから、まず載らない。そこは世間を知る人生の達人、うまくぼかして軽妙な文体で笑いを誘う。なかなかの文章家ではなかろうか。
選手の言い分を聞かないスーパーも百貨店も電車も利用しない、大新聞もハムもチョコも乳酸菌飲料も買わないでやろう!と書いてあったのだが(笑)、肝心の「リース」は、ちょっと照準を合わせにくかったかな。
あと、僕には親会社がよくわからない球団もある(ベイスターズって水産会社ではなくなったのかな?)。
しかし、阪神は今まで通りの2リーグ制維持を訴えているから標的にはならないと思うが、もし一転「パリーグ・リストラ案」など出したら、阪神電車沿線の住民はどうしたらええねん?
阪神間なら、少し歩けばJRや阪急に浮気することもできるけれど(僕は浮気症だからJR、阪急、阪神、地下鉄のどの駅にも近いところに寓居している)、いま話題の近鉄だと、三重県や奈良県の沿線の持ち家に住んでいるファンは、ボイコットしようにもできないではないか。
たしかに、ボイコットというのは、「飽食の時代」に合う戦術かもしれない。
選択肢がたくさん、しかも続々とある寡占市場だと、1社がボイコットされて敗退しても、市場経済それ自体にあまり支障はない。ヤク*トがなくてもビックルがあるし(ヤ*ルトおばさんはお気の毒)、ゴリ売り新聞は多少お客さんが減ってもつぶれないだろう。
むしろ、静かな国民的ボイコットが進んでいるのは、年金と結婚だ。いきなり現実的な生活問題になるが。
どうしても「払えない」「できない」のではなく、これはかなり意図的にボイコットされているように思う。
海外旅行者も多い、クルマは減らない、ブランドものは売れに売れる、行列はできる、スピリチュアルだけでも売れる(笑)…日本人のあんちゃんお姉ちゃんに、経済力はありありなのだ。パラサイトしていれば経済苦は実感ないし。
だから、諸手当てを増やしたりしても、的外れではないかなぁ・・・。
政治屋がこの意図を誠実に聴きとろうとしないなら、ボイコットは「該当者」の半数に届きそうな勢いだ。もうすぐに。
こっちの方が、僕は気がかりである(あんたこそ!と責められるのは承知)。
さしあたっての日本球界だが、潜在的に購買力のある日本人は、ブロードバンドやらデジタル家電やらを導入して、日本の野球中継も大リーグ中継も同じ感覚でザッピングできるようになった。ファンが「海外」に流れて行くのは、簡単なこと。
だから、ストをするならするで見ごたえのあるストを、やらないならアッパレな獲得成果を、ぜひ見せてほしい。
選手が球場周辺の店にポジションを割り振って、場外ファン感謝デーをやるというのはどうだろう?
監禁快速
at 2004 09/14 19:53 編集
ふだん列車ホテルにあこがれている罰か、今日は真っ昼間から電車に缶詰めになってしまった。
大阪も神戸も真夏の日差しなのに、西宮が土砂降りだった。局地的な雷雨で、信号が落雷で故障したらしい。ちょうど武庫川の鉄橋の上にさしかかったとき、プスンと停車。
まぁなんとか30分ほどで動き出したが、昼間から「このまま夜をどう過ごせばいいのか」と考えてしまった。
赤ん坊は泣くし、座席のない客はたくさんいるし、在来線で「お泊まりモード」になると、これは少しつらい。今回はまだJRだからよかったものの、トイレのない私鉄で30分、1時間と缶詰めになるだけでも、地獄になりそうだ(車掌室から外へ出してくれるらしいが)。
信号が消えてしまったといっても、その場で律義に停まらなくても、運転士の「有視界飛行」で、せめてどこかの駅までトロトロたどりついてから停まってほしかったと思う。
素人の発想かもしれないが、まず「安全に解放してほしい」気分にもなるよなぁ。
山陽新幹線は、トンネル(長さは十何kmあったと思う)の中で立ち往生したので、反対方向から入れた列車を横付けして、乗客を移して運び出したという。
戦闘機の空中給油みたいだ。あぁ、どうせならこんな場面に巻き込まれたかった。
バチが当たるだろうか?
ネーミング
at 2004 09/15 10:40 編集
きのう生まれた子の名前から、撫子ちゃん、林檎ちゃん、桔梗ちゃんもOKになったそうな。
これまで遥、苺、雫がだめだったのが不思議なほどだ。どれも、いい名前だがなぁ。
法務省法制審議会が、いったん「人名に使っていよ」と指定した漢字のうち、姦・癌・糞・呪・屍は、こんな字を使わせるなんて!!と非難を浴びて、削除されることになった。
まぁ、当たり前だわな。姦吉とか、屍郎というのも穏やかじゃない(糞はだめになったが尿はどうなのか?)。
子供の名前は、漢字をあてるかカナだけで行くか選択の余地がある我が国では、よけいに思い入れがこもってしまうが、アメリカのように「なんとかかんとか Jr」ですませてしまうのも潔くていいというか、明快というか・・・。日本のジャニーズファンは、わが子に樹似亜とつけたりするのだろうか?
鉄道マニアだと、「なんとか一郎ジェイアール」てな変則技を使ったりするかもしれない。
漢字が使えるから、かえって当て字やらこじつけやら考えてしまうともいえるから、カナだけで考えてもいいと思う。「がん」も「ふん」もショッキングでなくなる。もっとも、漢字だからこそ意味があるのだろうけど。
「しずく」「りんご」「なでしこ」「いちご」も、どれもカナだけでもいい感じ。ただ小学校あたりに上がると、「しずく」ちゃんの名前には線2本書き足されて「もずく」にされてしまうイタズラも、覚悟しなくてはいけないか。
天気や植物や果物の名前は、妙に人間くさかったり信仰じみているより、さわやかでいい。親は革新政党員のくせに、僕が昭和天皇から、兄が靖国神社から字を借りている冗談のような命名は、発育が歪むぞ!とつくづく思う。
消費評
at 2004 09/16 07:37 編集
たった1時間の労働なのにやたら眠い日で、神戸に戻ってサンマルクでソファーに座ったらうたた寝、帰って改めて昼寝したら晩飯時間にまでくいこんでしまった。
やっと書類作成とワープロ打ちの作業がひと段落して、つかの間の「秋休み」に入ったせいでつかれがどっと出たのかもしれない。
変なパターンで寝ると、「夜通し」目が冴えてしまって、いい夜風を窓際で浴びながら分厚めの文庫本を一気読み。
永江朗さんの新刊『批評の事情』(ちくま文庫)は、若手批評家列伝というか、批評家批評のような、でも軽快なエッセイでもあって、おもしろかった。
イントロには宮台真司、上野俊哉、山田昌弘、宮崎哲弥・・・と社会学屋さんが並んでいて、すんなり入って行けたし、幕間には森永ドラエモン卓郎や小林ゴーマニズムよしのりなんかがはさまっていて、起伏がある。
ただ、春日武彦がいて斉藤環とくれば香山リカがなぜ抜けているのだ!?という疑問は、9割の読者が持つだろうと思った。
小谷野敦を俎上に乗せて、小谷真理まで「ファンタジーではなくフェミニズム批評家」としてとりあげるんだったら、上野千鶴子がいないのは巨人抜きセリーグみたいな感じ。若手批評家を集めたというふれこみらしいが、鷲田清一さんは登場していて、同い年の上野千鶴子はいないのだ。
あえて、思想界では吉本隆明を視野の外におき、写真界アラーキーも除外されているから、「戦後派」というくくりにこだわったようで、それはそれでわかりやすい切り口だと思う。
思想というと、どうしてもマルクスが「付着」してきたり、映画批評だ写真批評だというとベンヤミンやゴダールが透かし見えたりするのは、もう「お約束ごと」なのかもしれないが、あえて古典の影を切り捨てると見えてきやすい面もあるんだな・・・と意外な発見。永江さんの立ち位置も自然で、文章も軽妙酒脱でいい。業界人ならではのこぼれ話も気がきいている。
しかし、これを読んで原著作まで手が伸びるかというと、なかなかそうは行かないのが困りもの。
これだけで現代批評の論壇がわかったつもりにはならないまでも、気分を消費しただけに終わってしまう。
過剰になればなるほど、批評は「流通」「消費」されるだけのデータと化してしまうように思う。
最たるものが、命をめぐる著作だろう。
難病闘病記の類は、あとからあとから出ては人目に触れず消えて行く。もう、「俺のかかった乳癌」までインパクトが出ないと、出版もされないのではないだろうか。
名医の「ありがたいお言葉」本も、ふと、1冊1冊どこが違うのだろう?という気にもなる。
でも、あとからあとから涙を搾り出させようとする本が出るのは、買う消費者がいればこそ。
「もう、ええわ」と開き直れたら、さぞかし楽になれるんだろうけど・・・。
楽天ドアーズ
at 2004 09/17 12:56 編集
うちはライブドアと違うもんね、と球団経営を最近まで否定していた楽天が、やっぱり参入を表明した。
球場を持っちゃったお調子者の港町が、なんとか地元に球団を置いときたいから社長なんとかしてよ、てなラブコールでもあったのだろうか。
球団とサッカーを持って、ナベツネ帝国に張り合うのだろうか。
「Tシャツ上目使い」の若社長より好青年度を感じるのだが、それにしても次々に出てくるIT長者がかもし出す胡散くささは、赤字が出れば「やーめた」と投げ出しそうな予感がつきまとう。だから警戒されるのかもしれない。
次は、携帯コンテンツ供給とやらでかせいだ「日本人なのに本名ロベルト」が、俺も野球やっちゃおうかな?と、手を出すかもしれない。
地域性にとらわれないから伸びるIT事業が、さて実際に地域経済を潤わせると大きくイメージ・アップすると思う。
ただ、ニフティの企業城下町というのは聞いたことがないし、神戸のヤフー・スタジアムがインフォシーク・スタジアムに変わってもグーグル・スタジアムになっても、何か変わるの?という感じ。金で名前を買った売ったというだけの話だから。
パ・リーグ経営の構想で、だれかが韓国、台湾と交流してアジア・リーグをやってはどうかと提案していたが、IT長者なら抵抗なく実行に移すかもしれない・・・と少し期待する。
「胡散くさい偏差値秀才」が居並ぶおかげで一番しっかりして見える孫正義さんが、真打ちかな?
球場周辺店がんばれ
at 2004 09/18 07:06 編集
古田会長、ついにストを決行!
ニュースでは、さかんに「プロ野球70年の歴史で初めての」と強調していた。
ストはベストな解決手段ではないかもしれないが、「初めて」というところに価値があると思う。実戦で使うカードが1つ増えたということだから。
そんな経営にはこの手、あんな揺さぶりにはこの手、と選択肢が1つでも多い方が、今後の戦い方が洗練されるというものだ。
「伝家の宝刀」は、使わないと錆びる。
ただ、球団側はスト慣れしている。
鉄道会社のストは年中行事だし、ロッテ財閥なんか日本以上に激しい韓国の労働争議のノウハウを蓄積している。
ところが、選手会側は初陣である。
経営側が労働者と戦うのは本職の一部だが、労働者にとって労働運動は本職ではない。
だから、結果的に勝ち目はないような予感もする。
むしろ、ストしているうちに、やるせなくなってくる選手が続出して、「もう妥協して、ゲームに復帰しようぜ!」「体がなまって空しい」という空気が、戦いを自滅させて行くかもしれない。こんな自らの心理状態との戦いも、選手会側は未経験だ。
次元の違うもめごとだが、どこかの小学校で、担任の授業のやりかたに反発して、児童が授業をボイコットしたという事件があった。
結果はどうなったか知らない。たぶん、担任も児童も学校側も、みな気まずい思いをしただけではないだろうか。
「やっぱり学校に戻ろうよ」「いつまでも家で自習なんて、やだよ」てな気持ちが、遠心力の反動で起こってくるだろう。
結果的に、反乱児童が自分で別の学校を造って認可させたとか、自治体を動かして担任を懲戒免職にしたという話は聞いたことがない。この手の運動に、勝利はありえないのだ。
経営側・管理者側にも賢者がいて、「まぁ戦わせておくことだ。そのうち厭戦気分で消耗するか、内部分裂して自然崩壊するから」と構えているだろう。
老獪な闇将軍が出てきて、堤義明・宮内義彦あたりをガツンとたしなめて「選手諸君、これで許してやってくれ」と丸めこまれると、体育会系の選手は情にほだされて武装解除してしまいそうだ。
闇将軍といっても経営側と通じ合っている隠し球だから、結局は経営側のシナリオに乗せられて幕引きになると思うが。
ここは選手会側にも闇選手を用意して(桑田あたり適任だ)、戦いの構図そのものを変えてしまえばどうかと思う。
ともかくストは選手にとって初めての技だが経営側にとっては「手慣れたあしらい業務」なのだ。お互い初めての土俵で、フレッシュに戦ってほしい。
そこで、「野球もする不動産屋さん」桑田投手には、こっそり買い込んでいるハワイの土地や会社を提供してもらって「第3リーグ」をぶち上げ、そこに皆で移籍するとか。
スター選手の大リーグ流出は、球団にとっても脅威だろうから、その回路をつくるのも1つの手だろう。今のスト戦術は「自分の職場を自ら放棄する」ということだから、抵抗感はつきまとうだろうが、だからこそ「自分たちの職場は自分で創る」形になれば、建設的だ。
ただ、アメリカ本国は球団も飽和気味らしいから、カナダとかハワイが狙い目だろうな。
六本木でおねーちゃんとチャラチャラしていたい選手は、球団に寝返って元のさやにおさまってもらい、のびのび野球をしたい本当のプロは、バンクーバー・ホークスとかワイキキ・ホエールズとかカルガリー・スワローズを創って北米チームと本物の野球を戦ってみせてくれたら、その方が精神衛生上よろしいと思う。
すでに、イチローは「オリックスのイチロー」でなくても、松井は「巨人の松井」でなくても、日本のファンをしっかり集客している。このブレイクスルーを、「標準」にすればいいのだ。
カリスマ美容師やカリスマドクターが顧客をごそっと引き抜いて移籍したり開業したりするのに比べて、チームプレイの野球は、足並みをそろえるのが難しいかもしれない。
だから、アテネに行った選抜チームみたいな球団を1つ結成して、球団ごと大リーグに売りこむとか、カナダやハワイでリーグづくりから着手するとか、組織を動員するような夢を持ってほしいと期待するのは、無責任だろうか。
そうでもしないと、脳梗塞だらけの経営者に喝が入らないぞ。
監督はバースで決まりだな。
始球式はクリントンにやってもらおう。
ソーラーカーだん吉どうなった?
at 2004 09/19 08:39 編集
北海道から九州まで、最長ルートをコンピューターで計画して乗りつぶすという鉄分濃厚な番組が、BSで放送されていたらしい。
BS限定でブーイングでもあったのか、純粋に大好評だったのか、はたまた海老沢バッシングを和らげる飴か、このマニアックな旅番組が地上波で再放送されていて、おぉこれは日本人必見の旅ではないか!と確信した。こりゃ教育テレビでやらにゃいかんよ。
なにしろ、東北から南下して秋葉原からあと2駅で東京駅というところを、ぐぐっと東へそれて、房総半島を一周して東京駅にたどりつくような回り道を尽くして、全国をジグザグにたどりにたどって12000kmになるそうな。
主演というか被験者というか犠牲者(笑)というか、僕の知らないあんちゃんが、結果的には無事やり通せたのだが、いやはや御苦労さん。
そこは、ふつうの十代の鉄ちゃんなら、夏休みあたりに敢行できるはずだ。
もし僕に小学生の子供がいて、日能研に通いたいとか公文やってみたいとか、ふざけたことを願い出たら、このJR長旅をやり通すのを条件に許可するね。
同級生が夏期講習だ特訓だと冷房に浸って青い顔で受験勉強する時期、うちの子だけは時刻表に目を輝かせている・・・となるのも、将来が楽しみだ(たぶん僕と妻の間に亀裂ができると思うが)。
かわいい子には旅をさせろというではないか。
まずでかい旅をしておくと、自分に自信がつくし、自分の外の世界への知的関心もかきたてられると思う。
家計に余裕があれば、トーマス・クックの時刻表を与えたいところだが、これはさすがに帰って来れないかもしれないので(各国の日本大使館・領事館で保護されまくってこい、国民の権利なのだ!とけしかけるかも)、まずは国内でいい。
子供のJR運賃など安いものだが、宿代がばかにならないから、テントを持たせる。張る場所も交渉して、合法的に世渡りすればいい。
あーら大変ね、おねーちゃんの部屋に泊まらない?と逆ナンパされても断って、「僕の代わりにパパを泊めてやって下さい。おとなしくしてますから」と振るようにしつけておく(僕と妻の深刻な亀裂になるかも)。
鉄道の旅はドライブやサイクリングにくらべると数倍は安全だから、全国の少年に義務教育化してもいいぐらいだと思う。
全小中学生の毎年の生徒手帳に1万km単位の「JR乗車権」をつければどうだろうか。何割かの心配性な親は自分の切符を買って同伴するから、経済効果も見込める。
JRには食堂車も夜行列車も減っているのが寂しい限りだが、その分、駅から街へ足を踏み出して一宿一飯にありつくチャンスが必然的に増える。
おじさん嗜好だと、サンルートチェーンの類より、「駅前民宿」の類がいい。
とはいえ、たとえば12歳の少年が駅前民宿をたずねて「今宵の宿は、ありますかな」というのも無気味だろうけど(地酒に目覚めたりすると、成人するまでに肝硬変だ)。
ようこそオータムファッション
at 2004 09/19 19:18 編集
梨をムキムキワシワシいただきつつ、柿はまだかなーと待ち望む曰々。
スイカは今年2玉ぐらいしか食えなかったなーと夏に未練たらたらのワタクシが先ほど目撃したのは、冬の兆しだった。
ダウンジャケットを初目撃したのである!
女の子ニ人連れだった。汗ひとつかいてなかったのが、すごい。
10月いっぱい、ワタクシはポロシャツにサンダルでルンペン散歩をしているというのに。
日本経済に貢献しているのは、まちがいなく彼女たちだろう。
いや、40℃のスーツ男もそうだ。
まだまだバブル消費は消えていない。
徒歩歩・・・
at 2004 09/20 06:56 編集
行きつけのモスの向かいに開店したカレーうどん屋というのが、気になっていた。
雑誌に載りました!!というコピーをぺたぺた貼って、なんだか下衆っぽいなぁとも思いつつ、「カレーうどん」で勝負する気合を受けて立とうじゃないの、と決意して、のれんをくぐった。
カレーうどん680円。
定食の時間帯というのが、なぜか昼と夜中。夕定食がないのは不思議。
夜中は11時から3時という時間帯で、割増料金はないようだ。
定食は、「うどんと玉子ライスのナイスなコンビ」と書いてある。ナイスである(笑)。
玉子ライスとは、卵かけ飯のことらしい。
カレーに生卵をかける大阪の掟が、紆余曲折を経て「カレーうどんについた飯に卵」というところに落ち着いたようだ。
で、肝心のカレーうどんはというと、なかなかナイスだった。
甘い口あたりの後、じわじわと辛味がきいてくる。腰の強い麺が、カレーライスを食うぐらいのボリューム感を味わわせてくれた。
三宮あたりで飲んだくれて、千鳥足で夜道をふらふら歩いて帰るときの、ちょうど中間地点ぐらいの場所にあるから、ちょうどいいロケーションだ。となりには「180円びっくりラーメン」もある。
ところが、実際「うぃ〜っ飲んだ飲んだ」というところまで飲んだくれることが、もうここ数年、いや震災を境にパッタリなくなったような気もする。
酒飲みにとっては、繁華街から歩いて帰れる自宅は、とことん飲めて好都合なのかもしれないが、不思議と「好条件にジャストフィット」するようなネオン街愛好家にはならないものだ。長野県に引っ越した人が登山家になるとは限らないように。
終電が気になる10時半とか11時までのギリギリの攻防が、遠距離通勤者の「ちょいと一杯」の醍醐味なのかもしれない。
そんな涙ぐましい遠方マイホームローン奴隷パパたちが、GDPを世界首位に保っているのに、消費は低迷している。せめて仕事帰りの一杯がニ杯になるぐらいの景気刺激策は、小泉さん竹中さん打ち出してよ。
一杯がニ杯になるもよし、夫も一杯+妻も一杯が気楽にできるようになるもよし。
乗合タクシーの禁止も、規制緩和せんといかんわな。
神戸から明石あたりまで帰りたい客が4人いたら、まとめて乗せれば安くて助かるのに、タクシー業界は4台のタクシーに分乗させようとする。
客を束ねて運ぶ車がいたら、業界内で「飯のタネを奪う気か」と袋叩きに遭うようだが、客の立場で考えてほしいものだ。足並みが乱れるとめんどうなことになるから、法律で一斉に規制緩和する方がいい。
「安く帰れて、時間制限なし」こそ、飲んだくれパパの悲願なのだから。
すぐに帰れる者としては、あえて道草を食う「止まり木」が増えた方が楽しい。
ただ、モスバーガーでコーヒーっちゅうのも、そこはかとなくわびしい。
カレーうどんに代わっても、元気をつけてそれからどうしたらええねん?という感じだが。
浜
at 2004 09/21 13:35 編集
「連休は雨」の天気予報がみごとにはずれて、山に登る計画をキャンセルしたカヌーイストと「海の記念日男」は、憤懣やるかたない。
むしゃくしゃしたままなので、最終日は、ひとっ走りすっか、ということになった。雑誌に書く記事の取材を兼ねて。
芦屋まで愛車をたたんでJRに乗り、浜辺へ向かう。
芦屋浜、西宮ヨットハーバー、甲子園浜、鳴尾浜・・・と、阪神間には何かありそうな浜の名前が並んでいる(関東でいえば由比ケ浜、江ノ島、逗子マリーナ・・・という感じかな?)。
何かあるのか何もないのか、確めてみよう、距離的に自転車がちょうどいい、というわけで、まず芦屋川から下って行ったのだが、たしかに何もなかった。連休なのに人影まばらな、都会の静けさスポットである。
海はずいぶん遠浅で、水遊びしている女の子たちが、びっくりするほど沖合で海に使ったり立ち上がったりしている。
天然の浜といっても、大阪に近づくほど水遊び気分をそいで行くのはしかたない。
それでも、曲がりなりにも阪神電車から歩いてすぐの浜で水遊びぐらいはできるのが、意外な発見だった。
正味3時間ほどジグザグに走って、30kmぐらいだっただろうか。標高差はほとんどないのに、この程度でバテバテ。蒸し暑い日で、潮風も紫外線も容赦なく襲ってくる。
帰りの電車に乗ったらコテンと眠ってしまい、よっこらしょっと自転車を組み立て、乗って帰るとコテンと数時間、寝込んでしまった。
こんな風に体がすなおに反応する運動は、いいものだ。
この延長で、しまなみ街道も走破できるかどうか・・・!
地球人の悩み
at 2004 09/22 07:01 編集
真夏日が90日あったとかそれ以上だとか、各地で記録を更新したらしい。
ヒート・アイランド現象説も、地方都市の灼熱にはどうも通用しにくい気もするが、かといって一概に温暖化だ海面上昇だとあわてる必要もない。夏が暑いと梨やスイカがうまいし、北海道でバナナやパイナップルができるようになれば、災い転じて福となすのだ。
・・・そんな次元の話ではないか。
スキー・シーズンが短くなるのは悲しいから、地球上の熱はせいぜい夏に放出してもらって、冬はシュパッと寒くなってほしい。
やはり、冷房のしすぎが街をじゃんじゃん暖めているとしか思えない。
9月のブーツ娘、ダウンベストお姉さんには、クーラー寒すぎるわよ!これ以上冷やさないで!と怒っていただきたい。
就職できず憤懣がたまりたまっている少年少女には、クーラーきんきん好みのスーツおやじを狩る許可を与えたい。
汗をかけば涼しいのだ、と単純なことに世間が気づいたとしても、「汗くさ日本」になるのは賛否両論もあるだろう。おばさんと予備軍が塗りたくっている強烈なケミカル臭、酸っぱいオヤジポマード、イケメンのギトギトフレグランスがこれ以上増えると、もう立派な公害である。
「乙女の石鹸の香り」など、絶滅したのだろうか。
えなりかずき君なら、同感してくれるはずだ。
ようやく今日から涼しくなるらしいから、押し殺されていたファイトが甦ってくる感じ。
まぁ、ファイトを道楽に向けず仕事に注ぎなさい、と天の声も聞こえてくるが、仕事は老後の楽しみ(ボケ防止)に取っておいて、体力と金に余裕があるうちに趣味を楽しもう…という生き方もあっていいと思う。
今の調子で温暖化して行くと、スキー・シーズンは1,2月だけになっているかもしれないし、山のマナーは悪化する一方だし、もっと早く堪能しておけばよかったと嘆くことになるかもしれないから。
兄と弟にはさまれておかずを奪い合う幼少期を過ごしたせいか、「うまいものは取っておかない」のが僕の処世訓になってしまった。楽しいことは今する。
「老後の楽しみ」をとっておいて、東海大震災や火山噴火や日本沈没や隕石衝突でパーになってしまうのも空しい。
ゴミゴミした街遊びが趣味の人はあせらなくてもいいだろうが、自然と戯れる道楽は、今のうちに「思い残すことはない」ぐらいに究めておいた方が、笑って死ねると思う。
愛¥家ヨンさま
at 2004 09/23 15:23 編集
いとうせいこう司会、やくみつると山本容子が向かい合っている画面にひょっこり遭遇して、漫画版画対談か?と思いきや、タバコ番組なのだった。
敬老の日でもないし、世界禁煙デーでもないし、妙なタイミングでまじめなタバコ文化番組をやってるなぁと思いつつ、最後の15分ほどを見ただけ。
ロンドンで禁煙パブが増えているとか、タバコはインディオにとって神聖な習慣だったとか、ヨーロッパの貴族はマナーを追究したとか、一応は擁護派と禁煙派の両方に目配りした内容だったが、いったい番組スポンサーがどこなのか、わからずじまいだった。
ニコチンもタールも肉体の生理に悪いのはもう物理現象で、疑う余地はないのだろうけど、精神衛生を考えると、体に悪いことでスカッとすることもあるわけで、論争がねじれてくる。
そこに、「タバコ以上に体に悪いものはある」と議論がすり替えられる余地も出てくる。
たしかに、本当にストイックかつ美しく喫煙している人と、車道沿いに「オレ、鍛えてるもんね健康だからね」と排気ガスを膨大に吸ってジョギングしている人と、はたしてどっちが病気でどっちが健康だか、わからなくなってくる。
ふと、思い出した。
脳死者からの臓器移植を受けて無事に退院した五十代の女性が「いただいた命を大切にして生きて行きたい。モーニング娘のコンサートに行くのが楽しみ」みたいなコメントを口にしていたっけ。
もしタバコをつけて「あぁ、この一服が幸せなのよ」なんてやると、主治医は仰天するだろうし、世間が許さないだろう。
では、コンサートではなくて新興宗教だったらどうなのか?とつっこむと、そんなドナー登録者数を減らすような雑音には、フタをされてしまうのが落ち。
特殊な高度医療はともかく、保健政策の追い風もあって、タバコは矢面に立たされている。
なるほど成人病やガンの元凶だから喫煙を、というのはわかるけれど、政策というものは幸福とか生きがいを問題にしない。カネの問題である。
権力を使ってタバコを絶滅させることは難しくないはずだが(外圧だけでも捕鯨のように絶滅寸前になった食文化もある)、簡単なことだからこそ、次のターゲットが不安だ。酒か?塩分か?砂糖か?
庶民のささやかな楽しみ(こんな言い方は庶民性善説みたいで僕は嫌悪してきたのだが)を狙うより、無駄な公務員を切り捨てた方が一気に税金の無駄遣いは抑えられる。
まぁ、国のやることであればこそ、国そのものの害悪は後回しになるのだろう。
それにしても、タバコの煙たちこめる中に浸って漫画を描いてそうなやくみつるが、「くわえたことも一度もない」というのも意外だったし、山本容子画伯は「二十歳の誕生日に父の前で吸って以来の愛煙家」というのも意外。
でも、この程度の「意外」で山本容子のファンが減ることも、やくみつるのファンが増えることもないだろうと思う。
ご両人なら、実は私・・・と禁煙宣言されても喫煙宣言されても、「そういうこともあるだろうな」と思うぐらいで、その道のプロという圧倒的な人物像が、嗜好品を呑み込んでしまうような感じがする。
僕は一応タバコが嫌いではあるけれど、たとえば山本容子はタバコをひっくるめて好きだといえる反面「私もタバコ大っ嫌い」と顔をしかめる人に手放しで共感できなくなってきた。
吸っても尊敬される人間になればいい。
嫌われるから禁煙するような日和見喫煙者は、最初から喫煙なんかしないで、人に好かれることばかりしときなはれ。
ヨンさまあたりは微妙な地位だろうな。タバコを吸っただけで、それでも素敵だの幻滅しただの、イメージ戦略を操るのが大変だろう。
いっそ、オ*ニー好きとカミングアウトしても人気者のSMAPをを見習って、やっちゃえばいいのだ。「僕はヘビースモーカー。そろそろ日本にスモーカー」と、ニコチンオヤジギャグを。
町興し野球
at 2004 09/24 13:54 編集
「楽天」球団が、本拠地をどっちにしようかと大阪人神戸人をヤキモキさせたあげく、仙台に落ちついた・・・のかどうか?
「地域にこだわらない球団経営」なんて発言をしている社長だから、仙台でもうからなければ東京へ、と浮き足立つ可能性もある。本当に、宮城県民は手放しで歓迎してるのかね?
「東北に球団を」という悲願はわかるけど、それなら日本海側と四国にも球団がないのは寂しい。
そこで、水産会社が「タラバガニうぐうぐーず」とか、高松の製麺所が「さぬきメンズクラブ」とか設立すれば、すぐ地域経済が潤うのではないかと思う。
カニは高嶺の花だから、個人的には、うどんを全国に普及させたい。球団経営はぴったりだ。
巨大な丼みたいな球場を造って、球場内でしか出してくれないスペシャルうどんを出す。いや、観客席でもビールやジュースは一切売らず、うどんだけ。中継で観客席が映ったら、全員がうどんを食いながら野球観戦している…というのも、宣伝効果抜群だろう。
香川県民以外の四国人も、なにか協力できる名産品を持ち寄ってほしい。バッティングフォームは阿波踊り打法とか、広末涼子がボールガールに雇われているとか、ノーゲーム日には丼球場に道後温泉の湯を満たして巨大浴場になっているとか。
カニは、僕の偏見にすぎないが、ヒヒジジイが愛人にほぜらせて偉そうにくちゃくちゃ食っているようなイメジがあるので、あまりさわやかなスポーツと結びつかない。せいぜい、松葉ガニと越前ガニとタラバガニと、カニ同士で闘ってもらえばいい。
新潟あたりにも、球団があってもいいと思うが…。
もう、子供みたいに何でもほしがる巨額負債都市神戸には、球団も空港もなくてもいい(空港はできてるけど)。サルおやじがよたれ歩きしているだけのゴルフ場が日本一多い自治体らしいが、恥さらしなだけ。
とまぁ、行ったことがないものばかり、いらんいらんと叫ぶだけだが、「○○がない街」というのが自慢になるようなマイナス指向が、これからのトレンドになってもいいと思う。
たとえば「風俗店もパチンコ屋もない芦屋」は立派なステイタスだし、探すとけっこう少ない「高速道路が通ってない街」なんてのは、静かそうでいい。
気品ある街(ざあますオバサンやシロガネーゼが這い回っているという意味ではなく)には、静謐さが不可欠だと思う。
ただ難しいのは、「活気」との両立だろう。気品を完全に捨ててゼニもうけの活況を取った街に僕は通勤しているから、まぁ悪くはいえない。「ゼニより気位どすな」って街でお茶屋めぐりをする身分にはなれそうにないし。
それができれば、理想の三都暮らし(神社仏閣をまわって、ドーム球場で爆発して、さて神戸の我が家へ…)が実現するのだが、そのためにも、球場も空港も喜んで手放したい。
ホームラン場面105円
at 2004 09/25 14:02 編集
「朝ナマ」は、やはりプロ野球がテーマだった。
楽天もライブドアも、ブロードバンドで試合中継して、今までの放送権料ビジネスとは違う感覚の経営やろうとしてますよ、というのがおおかたの下馬評だった。テリー伊藤も「あえて、これまでのプロ野球を支えてきた観客層のおじさん切り捨ててますよ。正解かもしれない」と肯定的にとらえていた感じ。
古い野球体質を改革する旗手がIT経営・・・と期待するのはわかるが、そうかなー?と素朴に思う。
「ビール、ステテコ、テレビ」でナイター中継を見たいおとーさんを守れ!というつもりはないし、居酒屋テレビは永遠です!とも思わないが、リアルな球場に足を運ぶ観客を呼び込む泥臭い経営努力が、やはり球団のコア・コンピタンスではないかと思う。
客層分析や満足度のリサーチは、たしかにIT屋さんの得意とするマーケティングだろうが、いくらデータを集めてこねくりまわしても、限界はある。スポーツビジネスの命は「臨場感」にあるから、球場経営をしっかりやってほしいものだなぁと他人事ながら思う。
でもテレビ中継も大きな曲がり角にある感じもする。
朝ナマはハードディスクに録画して後追い再生で見ていたのだが、自動CMスキップを働かせると、ほとんどリアルタイムでCM抜きの番組が見られる。
そんな芸当で見られる番組も半分ぐらいはあるから、民放にとってはたまったもんじゃないだろう。
ブロードバンドや地上波デジタルだと、課金もマーケティングも送り手が制御しやすくなるのかもしれないが、ペイ・パー・ビューは今までのテレビになじんできた日本人にすんなり浸透するかどうか・・・。
視聴者が匿名でいられないデジタル化は、「今月のあなたの視聴明細は以下の通り。料金は○千円。口座引き落とし」なんて記録通知も可能にする。
いやだなー、番組を匿名で見られないなんて。
放送のデジタル化は、巨大なスパイウェアじゃないかという感じもする。
そんなメディアの様変わりと、泥臭いコンテンツ(野球がその筆頭か。音楽番組は1曲いくらで課金できるパッケージ商品になりやすいと思う)は、どう合体して行くのだろうか。
なんだか、しらけてしまいそうな予感もある。
ナンバーワン・ステーション
at 2004 09/26 14:30 編集
生まれ育った界隈に、「日本一危険な駅」というのがあった。数日前まで。
幅たった2.5mで両側を特急・急行がびゅんびゅん通過する、というので有名であった阪神電車春日野道駅は、とはいえ事故は一度もなかったというから、「日本一危険視されていてみな気をつけるから日本一安全な駅」だったのだ。
それが、このたびプラットフォームが増設工事されてしまった。
あぁ、これで名所が1つ減ってしまった。
おまけに、ほとんど同時に悲報が追加。
日本一か二番目か、ともかく秘境駅で名高い神戸電鉄菊水山駅が、休業するという。
ひょっこり訪ねた人は、駅周辺に人家1軒もなし、公共工事の事務所のようなのが遠くの山に埋もれて見えるぐらいで当然の無人駅だから、なんのための駅なのかわからないだろう。
ただここは、地元民なら事情はわかっていて、休業といっても電車は毎日何百本も通るから、とりたてて喪失感みたいなものはないだろう。廃線になるわけでもないし、「一度は降りておきたかった駅なのに!」という客もマニア以外いないだろう。
たぶん、休業の来年3月までは、カメラを持って「秘境記念写真」を撮りに行く物見遊山が急増するはずだ。まぁ、ハイキングコースを歩けば神戸電鉄に乗らなくてもたどりつけるけど。
そういえば、わが電脳判事の地元の餘部鉄橋ももうすぐ架け替えだというので、撮影においでおいで今やでチャンスは・・・と濃厚な鉄分がメールに添付されてくる。
なるほど趣がある鉄橋風景だが、僕はどうしても列車転落事故で下敷きになって亡くなった多くの犠牲者の御霊というのを思い出してしまう。
まさか心霊写真にならなければいいが・・・。
鉄道や心霊や山岳、パパラッチ、婦人科・・・と、写真にもいろんな分野があって、かなり壁は守られているようだ。
電脳判事の周辺を見ると、「アイドル」は撮っても裸女は御法度だ。鉄ちゃんも、レールスターのボディラインに欲情したりするくせに婦人科には足を踏み入れない。いや、そんな浮気なやつは蔑まれるだけ。
でも、ほころびは、さすがのおマニヤさまも隠せない。
鉄道写真屋が「旅する少女」をモチーフにしたがるように、山岳写真家は清楚な女性を狙いたいのに撮れないから、可憐な高山植物や清楚なメスニホンカモシカやメス雷鳥をモチーフに入れる。
「不純なようで純情」の代表格がアラーキーだとすると、一番わかりやすい不純はアーミーフォトグラファーだ。まじめに兵器や戦車や巡洋艦を撮っていると思いきや、実は自衛隊音楽隊のバトントワラーや婦人警官をコレクションしている。公僕は肖像権など主張しないから、素材はタダで、写真写りのいい制服のアイドルは、トレカ状態になっていたりする。
露骨にアーミーおマニヤさまの情欲が投影されているのは、コンバット系雑誌だ。
「秘境駅にたたずむ麦わら帽子の女の子」なんて写真も、あぁいかにも考えつきそうなモチーフではないか。
「あ、やってるやってる」と、我が意を得たり気分を味わってみようか、菊水山駅で。
深夜の友
at 2004 09/27 08:43 編集
長寿番組が終わるのは寂しいものだ。
主演のスタミナや才能の限界ではなく、経営場の都合で幕が引かれると、なおさらそう思う。
去年、「ごめんやす馬場章夫です」が終わる間際は、やたらに「番組のようなCM(雑誌の記事本体と同じレイアウトの広告と事情は似ている)」が増えて、放送時間の4割がCMという惨状だった。
スポンサー募集のCMまで、しょっちゅう流れている。
企業の広告費が抑えられているのと、ラジオ聴取率の伸び悩みとのダブルパンチが、長寿人気番組を消し去ってしまう。
ラジオのレギュラー番組で語りかけてくれる作家というのは、昔も今も珍しい。
概して、もっと語ってくれたらいいのに、と思う。
とすると、ダブル村上などファンは期待するだろうが、春樹さんは出ないところに魅力があるし、龍さんは昔の露出過剰を反省したのか懲りたのか、これまた出ない。
どちらもwebに「僕の文壇」を持っていて、これも時代の流れというものだろうか。
「五木寛之の夜」はカネボウが単独スポンサーだから、春にカネボウ解体のニュースを聞いたとき、あぁ何かシワ寄席があるだろうな、とは思っていた。主演の五木さんは古希をすぎて東奔西走ますますお元気だから、体力の限界でもないだろう。
「ではまた、どこかのラジオで」と明るく言い残してくれたから、再開されるのを心待ちにするしかない。
それにしても、25年のロングランは長かった。
始まった'79年に、たしかNHK・FMのラジオドラマ「二人の夜」で、『青年は荒野をめざす』をやっていて、初めて原作者を知った僕は、原作の文春文庫版を読んだ。脳内革命が起きて(笑)、何十冊と読み漁り始めた。
高校3年生である。当然、受験には失敗したが、まぁ若気の至りというもんか。
もともと五木さんは「エンターテイメント作家」で、最近は人生訓エッセイストと思われているかもしれないが、一貫して「根なし草」を自認しておられる。
外地で帝国主義的教育を受けた引き揚げ者として、外側から今の日本を観察するアウトサイダーの目を持ちつづけている。日本の村社会の空気を吸って受けた皇民教育とは違って、五木寛之さんが思春期までに吸収した「日本的なもの」は、虚構だったのだ。
だから、今でもある麺では「日本探し」をしておられるようにも見えるし、それはそれで不幸だとはいえない気もする。
二十代でいっせいに学校から去り、三十代までで恋は終わり、サラリーマンの生き方・OLの生き方・正しい主婦のありかた・正しい中高年のありかたがガッチリ決まっている日本というシステムは、疑えば村八分にされかねない。
そんなジャパン・ええシステムにどっぷり浸って年金や投資の計算ばかりしている偉いセンセイがたは多いが、七十をすぎても世界中を旅して回る五木氏の好奇心とフットワークは、自然な複眼思考を失わずにいられると思う。
かつて、文化大革命でもスターリン粛正でもフランコ独裁体制でも、そして日本でもドイツでも、全体主義政権は文学者を徹底的に弾圧した。
僕がただ抒情的な理由(?)で愛聴しているアシュケナージとソ連との関係を扱った番組が、たまたま最近見たのだが、音楽家や画家も権力に利用され、利用できなければ弾圧される公式が、ありありと描かれていた。
そのアンチ・エネルギーが、たとえばスペインではピカソを生んだりしたのだが、だからこそ権力は芸術表現者を恐れる。
今のような時代に、民衆を動かし「ビロード革命」を起こせるのは、だれなのだろうか。
政治性と微妙な距離をとっているのが五木寛之さんだが、いっそ、ドクターなだいなだ氏に合流して老人党運動でもすればおもしろいのに。
at 2004 09/01 11:53 編集
新学期スタート!と、お定まりのニュースを聞くたびに、あのなー勤労者の夏休みはとっくに終わっとる!プロレタリアートに2学期なんかないわい!と思うのだが、今さら反論してもどうにもならない。
たしかに、ラッシュアワーの通勤電車なんかは、大学生ぐらいの層も何%かいるせいか、休み中はすくし「新学期」には混雑もする。
児童・生徒がいる家庭だと、やはり生活パターンも違ってくるのだろうと思う。
でも、「お子さま暦」を中心に社会が回っているのは、やはり変だ。
もし子供を大切にしている社会なら、なぜ出生率が下がり続けるのか。
夏休みの宿題をやってあげるマニュアル本が、腐るほど出ていた。「親子で楽しむ○○」の類。
ふだん学校と塾に管理されている子供は、夏休みぐらい解放してやれよー、と思うが、祖父母とママは放っておけないのだろう。
ちょうど2学期が始まる今日は関東大震災の勃発日。
地震や台風に遭ったときどう助かるか、被害からどう復興するかが、知恵の見せどころだ。
そこで、夏休みの宿題は災害シミュレーションにすればいいと思う。9月1日に富士山を噴火させる、飛行機が六本木ヒルズに突っ込む、「関東阪神以外大震災」が起きる・・・そのときサバイバルできるか(ブルジョアは潔く即死できるか)、機敏に救援ボランティアに行けるかで、2学期の成績をつければよろしい。
そんな対策まで、日能研や希学園あたり、夏期講習で始めそうなイヤな予感も・・・。
「関西にある活断層の位置を地図に記入しなさい」
「地球上のプレートの名前を全部あげなさい」
なんてお勉強を、冷房の効いた教室でハチマキしてつめこんでいるところへ、不意にピカドン!と一撃。
「ウグググググ・・・せ・せんせい・・・今のは何ですか。1、雷。2、核攻撃。3、隕石。ひとつ選べ」
「せんせい国文科の院生だから、わかんないよごめんね・・・」ガクッ
とまぁ、こういうのは畑の有機肥料になってもらうしかない。
メッセでっせ
at 2004 09/02 14:45 編集
町内にあるのに、めったに行かない東急ハンズ。ハンズメッセぐらいでしか、行くきっかけがない。
ハンズメッセも、冬はなんとなくにぎわっている気がするのに、なんで夏は8月末からなんだろう。7月20日からにして、「リゾート・モード」で品揃えすれば、もう少しパッとすると思う。
が、提案しているつもりの僕が買ったのはハンディ・マッサージャーだから、季節感まるでなし。あー効く効く・・・極楽。
もしかすると、こんな健康グッズの専門店があるのかもしれないが、知らないからハンズメッセで目についた→買ってみるか、というだけの話。
ハンズでの買い物は、こんなパターンが多い。
ある程度の知識があれば、手芸用品はユザワヤに行けば確実だし、工具類はコーナンに行くし、アウトドア用品なら好日山荘、家電はジョーシン・・・と、専門店が半径1km内に思い浮かぶ。文具・事務用品だと、富士商会という大学生協みたいな全品2割引の店があって、ハンズより売り場は狭いのに、とにかく驚異的に何でもある。
あとは、そんな専門店に足が向くか、「ハンズでいいや」とかたづいてしまうかの問題。
扱っているものが悪いわけでもないし、ふだんの値段の高さも店員サービス料込みだと思えば納得できるのだが、百貨店化すると、こだわる客からは敬遠されるのかな。
デパートが家電や本から手を引いて、高級ブランドものと地下食品(と書くと怪しい匂いやな)で勝負しているように、ハンズも「勝負どころ」を見せてほしいと思う。
やはりDIY精神というか、せめてテイストだけでも死守してほしいものだ。
組み立てキットなんかもいい。うまくできないときは名人級の店員がサポートすれば、固定客化できる。
大昔はプラモデル職人みたいな人があちこちにいたものだが、今はフィギュアショップとか、「そっち系」に濃厚な客が集中している。下手すると「おたくハンズ」になってしまうから、鉄道とかフィギュアの禁断の世界には踏み込まず(ハンズの真南200mにオタク解放区と化したビルがあるわい)、「日曜大工」「クラフト」「アート」路線で行けばいい。
まぁ、Nゲージ屋さんなど「俺たちゃHOゲージより繊細なアートなのだ」と自負しているのかもしれないが・・・(僕は決して鉄道模型に手を出したことはない)。
たぶん、、手作り大国のアメリカあたりと比較して、あまりにも法規制が多い日本だから、ログハウスとかリフォーム、手作りカー&バイクも、「自己責任でやります」といっても、何かと規制にひっかかるだろう。それが、ハンズのような店にしてみれば、手かせ足かせになっていると思う。
ログハウスキットを自分で組んで住みたいと思っても、火事になりやすいとかでほとんどの住宅地では建てられない。
車やバイクの改造も厳しく制限されていて、せいぜいアクセサリーを買ってつけるぐらいしかカスタマイズできないようだから、手作り派は腕がうずくだろう。
ハンズには、あんちゃんたちには料理教室を、おねーちゃん向けには大工教室を企画して、「大人の家庭科」路線でがんばってほしい。
うまく行けば、独身者はますます「パートナーいらず」になってしまいそうだから、究極は「彼氏ロボット・キット」だろうか。
画像や人形を彼女の代用にしている先駆者は五万といるから、それがついに女性にも普及して行く!・・・か?
浅間2000というスキー場はどうなるの?
at 2004 09/03 06:18 編集
浅間山の噴火は、地元でも東京でもわりと落ちついているのが意外だった。
首都圏の一部のようなエリアだから、火山灰で農家が大被害を受けている面に、ピンとこないせいかもしれない。三宅島の例も身近なはずなのに。
火山の噴火といえば、五木寛之氏の小説『にっぽん退屈党』(文春文庫)を思い出す。これは浅間山ではなく、富士山を噴火させてしまった革命家集団の物語。
先生の勧める少年文学全集の類は無視して江戸川乱歩にはまっていたほどのアンダーグラウンド・ロマン愛好者の僕が、二十歳ごろ読んで戦慄を覚えた名作だ。
浅間山や阿蘇山は、噴火しても当然なほどありふれた火山のようだから、いくら祟りだ何かのお告げだとフィクション仕立てをあおっても、国民のほとんどは地球物理学の方に耳を傾けるだろう。
そんなご時世だから、おもしろいのは、槍ヶ岳が岩の円錐のように見えて実は中がアポロチョコレートだったとか、八ヶ岳の「にゅう」という変わった名前の(乳頭形をしている)ピークが実はミルクをほとばしらせる悩ましい山だとか、そんな類の「トリビアな地球物理学」だ。トリビアどころか、むしろ「トンデモ科学」かもしれないが。
でも、サンダーバードにはまっていた少年なら、どこかのシュロ並木を見かけると、それがさーっと倒れてサンダーバード2号が発着するシーンを夢想していただろうし、月を仰ぎ見ては「謎の円盤UFOとムーントランスポーター」を探していたものだ。
僕は「地球防衛軍親衛隊幼年学校生」だったから、滝を見るとウルトラホーク3号が出てくるのではないかとわくわくしながら眺めていた。山肌がズルリッと動けばウルトラホーク2号ノースゲート・オープン!である。
八ヶ岳の麓で僕を逆ヒッチハイクしてくれたあんちゃんも、飛んでる人だった。
いま当時のコースをたどってみると、なぜあんなコースでもない草原の小道を歩いていたのか自分でもわからないし、ぽつんとたたずんでは彷徨する登山者らしからぬ人物となぜ遭遇したのかも不思議だが、ともかく廃品回収業者に逆ヒッチハイクされたのだ。
メールなどない時代だったから、住所を交換して別れたら、「私の師匠の本です」と送られてきたのが、五次元世界がなんとかかんとかという本。
たしか五井野正という著者で、むやみにマイナーな国の勲章や聞いたこともない外国大学の学位をいっぱいもらって記念写真をとりまくっているダテ男(に見えた)だった。
ただ、この「弟子」さんはさっぱり押しの強くないさわやかな人だったので(うさんくさいけどねー…と苦笑する、世捨て人のようなキャラクターだった)、残念ながら僕は「五次元世界」には連れて行ってもらえなかった。
先日アテネで優勝した野口みずきの注目点は、ツチノコを見たとか、UFOが飛んでいたとか、NHKで巧妙にカットされるような発言をしていることで、あの方は美内すずえの世界に行きそうなテイストを感じる。がんばっていただきたい(何をや)。
野口みずきテイストの人は、陰陽道より、やはり『ムー』の方を愛読しているのだろうか。
宇宙と更新するおじさんとか、波動を感じるワおねーちゃんとか、アムウェイ洗脳主婦とか、いろんなトンデモ人種に出会ってきたけれど、残念ながら僕自身は、まだ「あっちの世界」にも「そっちの世界」にも行けてない。
これはスゴい!と開眼するような、上出来のフィクションに出会えていないだけかもしれないし、色と金から逃れられない世俗べったり人間だからかな?
金星人(とやら)の恋人でもいたら、「金星に地球の金は持って行けないよ」と説いて巻き上げてしまいそうだし。
あぁ、そうか、だから地球人とは御縁がないのか。
行っちゃいそう、行っちゃいそう・・・(笑)。
カールツライっす
at 2004 09/04 11:55 編集
台風のおかげで急に涼しくなったと思ったら、きのうの出勤途中の並木道に、もうギンナンが落ちていた。ちょっと早すぎるんでないかい?
小中学生が、くさいくさいとキャッキャ笑いながら小走りして行く。キミたちも、ギンナンの茶わん蒸しには文句はないでしょうに。
のどかな朝はいい。
夏男としては、このまま足早に夏が褪せて行くのも寂しい。
どの季節もそれぞれに趣があり・・・と皇太子トークをするつもりはない。秋の空気感は格別だ。山の緑も目から1枚ウロコが落ちたように鮮やかに見える。
こんな透明な空気感には、カール・ツァイスだ。
というわけで、また病的なくせで、CONTAX印のデジカメを買ってしまった。電脳ショッピング判事の裁きを覚悟しつつ(笑)。
突っ込まれる前に重々承知しているのは、「CONTAX印」であってCONTAX製というわけではないから、どれほどの違いがあるのかといえば、「あるようで、ないようで」というしかない。
しょせんデジタル写真の世界だから、「どうです!バリオ・テッサーの描写は」「バリオ・ゾナーとどう違うのだ?」なんて論争をしたところで、どう味つけされているかわからないのがデジタル画像。どうにでもごまかせる。
撮った本人ですら、「最終データ」は永遠に完成しない。ある意味、絵画や彫刻みたいなものか。
フィルム125分の1秒とか、4000分の1秒の一瞬で、ネガとかポジという最終データが残る。これは版画の世界に似ている。
だから、どっちが芸術的か、高級かと対決をしても不毛だ。
パトローネ(イルフォードのパトローネ・デザインは秀逸だ)に入ったフィルムをカチャリと充填して、玉虫色に光るレンズを選んで装着し、ガバナーと歯車の感触を楽しみながら撮影する・・・こんな作業は、それ自体に情念を刺激する何かがあると思う。
撮ってどうレタッチするか、なんて楽しみはない、というか考えなくていい。
では、なぜデジカメを買うのかといえば、「つまらなさを実体験して、性懲りもなく再確認するため」という妙なことになっている。
立派な病気である。
財布
at 2004 09/05 11:41 編集
どうせカスしか当たらないだろうに、「5000円お買い上げで福引き1回」のために、よけいな買い物をするはめになるハンズメッセ。
つくづく、まんまと店に乗せられる小市民やなぁと自己嫌悪にさいなまれる。
せめて、「今はいらないが、いつかいる」ものをと考えて財布を品定めするが、こんなのはスーパーや地下街や、駅のコンコースでさえ1000円均一で売っている。
でもしかたない。本当に、「今はいらないが、いつかいるもの」がほかにないのだ。
財布売り場に群がる客には、なぜ「趣味は貯金なのさ」というオーラを発散させているオババが多いんだろうと疑問に思いながら、自分もオバサン化していたかもしれない。
飽きて買い換えるようなことは、財布にはまずないことで、たいていほころんだり落としたりして、しかたなく新調することしかない。1〜2年の周期だろうか。
ところが、今の財布は5年ももっている。無骨で、特に愛着もない「バッタもん」だが、こわれないし、特に不満もない。
気分転換に別の財布に浮気して使っていたら、落として散々な目に遭った(現金や回数券は抜かれて、残骸だけ警察から通報をもらって引き取りに行った)ので、また戻ったのが今の財布。経験はないが、なんだか浮気でヤケドして古女房に舞い戻り「やはり戻ってくると思ってたさ」「かーちゃんごめん!」なんて会話をしたような気分だ(笑)。
とすれば、またぞろ浮気心を出して、なにか災いが起きるのかもしれない。
そんなジンクスをかついで手を出せないでいると、なんのための買い物なんだか・・・。
罪なバーゲンである。
進度4
at 2004 09/06 07:25 編集
きのうの夕食後のグラグラ、おまけに夜中にもグラグラ・・・けっこう長時間の地震はこわかった。9年前は熟睡中だったから、「わけわからんうちに生き埋めになっていた」というドタバタだったが、意識がはっきりしているからこそ、こわい。
それにしても、「NHK和歌山放送局では、机の上のパソコンが落ちたりすることはありませんでした」てな形容は、どんな意味があるのだろうか。実際に、一般の民家では、階段から落ちて骨折したりしている被害者が入る大地震だったのだ。
犠牲者6400名の阪神大震災でも倒壊しなかったような頑丈そのものの放送局を基準に、「それほどでもなかったよ」といわんばかりの報道は、完全に庶民感覚とかけ離れている。受信料ボイコットされまっせ。
最初は突き上げるような縦揺れで、つづいて横揺れが続き・・・ともっともらしい用語で「わかった気」にさせないでほしい。
舗装も造成もしていない地面の上でナマの揺れ方を感知している人間なんて、まずいない。
床がチープな一軒家だと縦にバウンドして縦揺れに感じるし、免震構造の建築の中にいれば横揺れするわいな。
こんな環境の違い、錯覚、不安心理etcetcを横に置いて、縦揺れだ横揺れだと断定するのは、素人を惑わせるだけで百害あって一利なし。
そんなことがわかって、どうなるというのだ。「縦揺れにはうまく縄飛びしていると被害を受けません」とでもいう気か(笑)?
「津波は時速500kmで進む」という情報も驚きだったが、沿岸部でも100kmで押し寄せます。決して見に行かないように!という放送は、やんちゃなサーファーに「それ行け」とけしかけるメッセージにならないのだろうか。
震災報道はまだまだ情緒的で、あまり進化していないような気がする。
予知能力
at 2004 09/07 15:14 編集
また、いやーな揺れが長く続いたと思ったら、西には台風。これも不思議なことに、雨がさっぱり降らないで、熱風が吹き荒れている。
ニュースで「河船の増水や氾濫に気をつけて」といわれても、ぴんとこない。いっそ、ふだんゴミや汚水をほかされているばかりの川が「反乱」したり・・・というのは困るけど、雑炊が流れるとありがたいかなぁ・・・いや究極の生ごみかもしれんなぁ・・・とバカなことを想像してしまう。
こんなに天変地異がたて続けに起こると、「これらすべて大地の神の怒り」「宇宙の波動の歪み」てなことを口走る部類も出てこないのだろうか。
「なんでもかんでもユダヤの陰謀説」の落合信彦は、少しトーン・ダウンしたご様子だし。
この手のシナリオは、天変地異を何かもっと大きな変化の予兆だとこじつけるパターンと、大きな力が働いた結果だとこじつけるパターンに分類できるようだ。
プレート・テクトニクスもいいが、せっかくだからファンタジーを楽しみたいし、うならせてくれるようなトンデモシナリオを、だれか唱えてくれないものかね。
宇宙エネルギーとか霊の力とやらはもう飽きたから、すべて元凶は自民党とか、もすこし現実的ないいがかりもあってもいい。
ただ、クラスや職場で「あいつが魔の世界の使者だ」てな話になると、人身御供にされかねないこわさを感じる。実際そうされてきた当の本人として(笑)。
シナリオを楽しむより、「自分だけサバイバル」を考える現代人は、超能力願望を持つようだ。
どこでもドアで酒池肉林に入りたいとか、たけコプターで満員電車から免れたいとか、他愛もない超能力はすぐ飽きそうだから、やはり究極は予知能力だろうと思う。
これだと、単純に札束をホイホイ出せる超能力より、買った株が株式市場で大化けするとか、ハルウララが天皇杯を制するとか、200枚買った宝くじが全部3億円当たるとか、もうかる前の楽しみを味わえる。
ただ、600億円の成り金になったとたん女狐にもてまくったり、あげくの果てには暗殺される最期まで予知できるとすると、つらい。
それにしても、なんだか「東海道沖大地震」が匂ってしかたない。
なぜか必ず生き残ることになっている政財界のお偉方が、じわじわと熱海・伊豆・箱根の別荘をたたみ始めると、やばいと思う。
ピーターさん、どうなんですか!?
新快速湯
at 2004 09/08 06:10 編集
土砂降りに遭うぞ遭うぞ・・・と思って外出したら、結局ほとんど雨は降らないまま、台風は去って行った。
たしかに風は強かったし,海沿いの国道2号線は潮に浸ったりしたようだが、あまり被害がなくてよかった。
ただ、帰宅ラッシュ時の神戸以西のJRが止まっていて、小パニックになっていた。
で、近所のコンビニがどこも大繁盛していると思ったら、帰宅をあきらめて職場かホテルかに泊まる人が多いのだった。
よほど、「歩いてすぐのトーホーストアに、安くてうまいオリジナル弁当あるよ」と営業したろかと思ったが、急なお泊まりモードになると、やはり頼れるのは
コンビニなのかな。
ところが、夜中前にJRが運転再開してしまった、
充分、明石でも姫路でも淡路島でも帰れる時間だ。
ホテルなんか取ってしまった人は、運が悪かった!
こんなときこそ、「いつ運転再開するかわからない」鉄道会社は、列車ホテルをスタンバイさせておくのが良心的というものではないかと思う。
こうすると、「寝て起きたらホームタウンに着いてた」だとラッキーだし、動かなくてもダメもと。
僕はスキー帰りに持急の列車ホテルにめぐりあったことしかないが(災難だと思うのは損。特急料金返してもらって寝泊まりできて飯がつくのは棚ボタだ)、在来線では未経験だ。
リクライニングシートでないのは少しつらいが、まあ珍しい経験にはなると思う。
こんな非常時だけはしかたないから、女性専用車を朝まで確保するのもいいでしょう。
そして!その隣の車両に、列車ホテルというからには、「浴場車」もl両ほしい。貨車をつないで湯を注げば、けっこうな大浴槽になるはずだ。
もちろん周囲から注目されてしまうから、瀬戸大橋とか関空連絡橋とか、餘部鉄橋の上に停めておけば大丈夫。
絶景だし、料金とってもいいぐらいだと思う。
バカなことを・・・と鼻で笑われそうだが、69%は真面目。
そういえば先週、廃止になる南海貴志川線を救うには?という番組をNHKでやっていたけれど、元手さえあれば僕は鉄道を買収して、列車ホテルを経営するね。浴場車は名物として必ず編成に入れる。
赤字線は風光明媚なところが多いから、うつりゆく車窓風景を眺めながら、10km/hの運行・・・というのもいい。全国全世界から鉄ちゃんが来てくれそうだ。
よく豪華客船が甲板にプールなんぞ装備しているが、ありゃ恥ずかしいスノビズムだ。まわりは海なのに、なんで毛唐どもプールにこだわるねん。
泳ぎたいやつは飛び込めばええんじゃ。置き去りが心配なら、生け簀を曳航して、そこで泳がせる。
やるなら、風呂である。満点の星空を眺めながらの、究極露天風呂になるぞ。
客船だとスケールが大きすぎて夢物語にしかならないから、手近なところで鉄道となるわけで、世界一熱い日本の鉄人なら、きっと実現してくれると思う。
列車ホテルに、列車喫茶店、列車病院、列車葬式・・・
救急究明士
at 2004 09/09 14:53 編集
「今日は救急の日ですよ」と報じるNHKが、何度も救命救急士と呼び間違えるほど、専門の資格がまぎらわしいのは何とかしないといけない。救命救急センターと救急救命士があるのも、ややこしい一因かもしれない。
いっそ名前を変更して、「命お助け士」では間が抜けているとしても、スカッと一語で納得できる名前はないものだろうか。
そして「究明士」というのを新設する。弁護士や警察や検察が追究してくれない難問にメスを入れる専門家だ。
にせ温泉を暴いたり、スイカップに札束をねじこんでいたNHKの不正経理を糾したり、仰天の「読売タイガース」構想をスッパ抜いたりするのが初級(審査員はテリー伊藤)。
そこまでは命の危険はないが、中級になると、マル暴と芸能界と政財界とのおつきあいを暴く。ヒヤヒヤ…
上級は天皇の戦争責任まで行かないと…。ズドン!
国際A級、B級なんてのもつくって、「アジアで少年少女買春している欧米人の実態」は小手調べかな。
命さえあれば、ユダヤコネクションとマフィアとバチカンの関係まで、解明できるかもしれない。
それは冗談半分として、「究明しない士」が多すぎるから、どんどん血税や受信料や保険料がむしり取られるがままなのだと思う。
いま話題の、「逃げたり頬かむりしたり隠したり」略してNHKは、せめて受信料の使い道として職員の年収は公開すべきだろう。プライバシーだ?しゃらくせえ、「給料の出所」に使い道を説明する義務はないってわけですかい?
民放キャスターは、だれが何億円かせいでいても、納得できなければそいつの出ている番組のスポンサーをボイコットするなり不買運動するなり、働きかけはできる。
そんな回路が閉ざされているのだ、NHKと役所の仕事ぶりには。
願わくば、草野さんあたりに、「今だからいえること」をぶっちゃけてほしいものだ。ワダベンの下半身も含めて。
不適切な市
at 2004 09/10 15:22 編集
「本場」では当たり前にあるプロ野球のストが、日本で実現するかどうかの瀬戸際交渉。
ファンにとっても球団にとっても選手にとっても不本意だろうが、ここまで実力行使できるようになったのは、意味があることだと思う。
そう思わせる効果があったのではないかな、あの「たかが選手ごときが」発言は。
上から高圧的に権力をふりかざす悪役は、いるだけの値打ちがある。
おかげで、みな目覚めて、野球は選手とファンあっての文化なんだという当たり前のことに立ち戻れるから。
あまりマネージメントがでしゃばりすぎると、ろくなことにならないと思う。
いっそ、マネージメントがうまく行かない事業は、行政がやればいい。銀行も国有化される例があるように。
そこで、近鉄は藤井寺市か大阪市が、ブルーウェーブは神戸市が買収して、公営球団にする。これこそフランチャイズの極みだ。
バカみたいな市営空港を造る費用の100分の1ぐらいの費用ですむだろうし、「全員公務員のプロ野球選手」というのは世界の注目をあびて、キューバと友好関係もいっそう強くなる(笑)。
逆に、採算を度外視して市民にツケをまわしているような市営空港なんぞ、オリックスに下取りしてもらえばいい。飛行機をリースしている会社だから、空港リースでもかせいでもらえば「いい流れ」ではないか?
ついでに市長もリースでいい。ゴルバチョフとかジュリアーニ元NY市長とか、マジソン郡で「不適切な関係」にふけったクリント・イーストウッド元カーメル市長とか、おもしろどころを借りてきてほしい。
ついつい郷土愛?から手厳しくなってしまうが、今の市長なんて、土地と結びついた顔ではなく、小役人そのものが談合で票を集めただけ。だから、「グリーンスタジアム神戸」が「ヤフーBBスタジアム」になってしまうのだ。これがもし隣の芦屋に「グランドメゾン田園調布」なんてマンションができたら、地元が許さないざます!
いくらオーナーが地元出身だといっても、地元が喜ぶ球団経営をするとは限らない。
京都や大阪だと、出身者が軽率なことをすると地元が黙っていないはずだが、神戸は「好き勝手にやってお咎めなし」だから。なんだろうこの街は。
もう、オリックスにやる気がないなら、本拠地を神戸に!なんておねだりは、誇らしくやめた方が潔い。地元球団がなくなっても、世界から偉人をひっぱってくれば、市民は軽薄に浮かれて幸せだ。いまだに異人館でかせいでいる街なんだから。
個人的には、「ビル・クリントン神戸市長」なんかいいと思う。実現したころには、「妻は大統領ぼく単身赴任中」とまぁ、男女共同参画者会の鑑にもなりそうだ。
それもまた空港の何百分の1かのスカウト料を積めばできるはずだが・・・。
第2ラウンド
at 2004 09/11 15:06 編集
よかったのか悪かったのか、「プロ野球スト回避」となると、「台風がそれた!やれやれ」と同じトーンでうけとめてしまうのは、まぁ球場近くの商売人ならしかたない。
でも、交渉そのものは「失敗だった」と僕は思う。
何ひとつ、確約を取りつけられなかったから。
結局、パリーグ5球団で行くと確認させられた。つまり、合併を追認したということだ。
新しい球団も参加できるようにしたいね、と曖昧な合意だけはしたものの、現に名乗りをあげてる会社があるんだから、ずばり「ライブドア・バファローズ」を認めるかどうか、具体的に俎上に乗せてなんぼの席ではなかったか。6が5にされ、また6を勝ち取ってはじめて、選手の雇用問題はセーフである。
ところが、今回の交渉は、ふたをあけてみると「近鉄とオリックスを1つにして、選手の雇用問題半分リストラ」案を呑まされたという結果。そりゃ経営側が笑顔で握手を差し出しても、古田は憮然と拒むわなぁ・・・。
古田もよくやった、ねぎらいたい、野球に専念してほしい、と思うせいだろうか、「どのメディアも本当の採点」をしない。
たしかに、よくやったと思う。古田は個人的には偉いと思うし、類い稀な知将タイプだろう。
しかし、選手4人vs12球団経営者というアンバランスも問題だ。人数で威圧するというのは、労働運動の基本中の基本だろうに、これじゃーリトルリーグvsプロ野球だ。
いたずらに長引くと、味方だったファンも離れて行く。「5回コールド勝ち」できるぐらいの短期必勝作戦に期待したいところだ。
チャーリーとエンジェル
at 2004 09/12 14:19 編集
座間基地に「赴任」したジェンキンスさんは、妙にかっこよかった。
きちんと軍に戻る手続きをして、「軍人としての罪を問う代わりに軍人であるから月給36万円を支払う」という事務処理は、一応のフェアプレイだ。不謹慎な邪推だが、曽我さんも「あなた、やはり軍人でいなさい。あなたには国民年金ないんだから、この方が得よ!」と耳打ちしてたりするかもしれない(失礼)。
脱走したときに時計を戻して、そこから身分上の処理をしなおそうというのは、軍隊ならではの体面だろう。
「日本で家族仲良くしてるんだから、罪を問うな」と人情話にもつれこむ世論に対して、こういう理屈も使える、こう処理すれば整合性が崩れない、とロジックを究めるのは、政府なら当然すべきことだ。
そこで大衆人気に迎合して政治家がロジックを都合よく曲げたりすると、ヒーローになってしまう国と、アンフェアとして非難される国があるように思う。
だから、こんなときこそ、わが国では皇族発言が鶴の一声として響いたりする。
「ジェンキンスさんに対して、不当な人格攻撃が目に余ります」
と記者会見してもらうと、いくらジェンキンスさんが飲んだくれても、チュチェ思想の本を読んでいても、日本人みな味方になる。
セイン・カミュとかパックンマックンあたりのファンキー外タレが活躍している芸能界には、あの世代の渋い(爆弾発言もしてくれそうな)外国人がいないから、「ジェンキンス枠」のようなものがすでに用意されているのではないだろうか。
まぁご家族にとっては気をもむことになるだろうが、アメリカの退役軍人が運命のいたずらで妻の祖国に来日することになって、余生をどう過ごすかは大事なことだ(もちろん、北にいるより希望はあるだろう)。
現役の米軍人と違って、日本語を習得する必要もあるし、年金がないから働く必要もあるし・・・。
それ以上の詮索はプライバシーに触れるからさて置くとして、ちょうど先日「徹子の部屋」に出ていたロザンナさんと、若い頃のイザベル・アジャーニのような美貌の娘さんを見て、ついの祖国というのを考えさせられた。
ヒデと一緒に仕事をしていた国、子供が育った日本国に、ロザンナさんはすっかり同化しているように見える。自由に行き来できるとはいえ、イタリアの家族との御縁もあるだろうし、気持ちの整理をつけるには年月がかかっただろうなと思う。
もちろん、ロザンナさんは自分の意志で来日して、仕事で生計を立て、生まれた子供が母親にとっての外国を母国として育ったというのが、同化できる強力な要素になったと思う。
その要素がないジェンキンスさんのつらさは、ついお察ししてしまう。彼の祖国はどこになるのだろうか。
「親子4人仲良しショット」に目を細めているだけの人情話ですませてはいかんと思う。
こんなケースは、日本の社会保障の守備範囲という問題を浮き彫りにしてくれる、リトマス試験紙にもなる。
焼き鳥バファローズ居酒屋ブルーウェーブ
at 2004 09/13 06:38 編集
労働運動や反戦運動、学生運動、住民運動etcetcが昔のように目に見える形で盛り上がらない、という定説もある一方で、プロ野球選手のストは臨戦状態。
おかげで国民の関心が集まっているのは、いいことかもしれない。
草の根の運動はとりあえず好意的にクローズアップする朝日新聞に、60代の紳士の投稿が載っていた。かなり踏み込んでいて、思わず行け行けエールを口走りそうになった。
選手がストをするなら、ファンもストをやろうというわけで、つまりは不買運動のすすめである。
ただ、広告収入で成り立っている新聞に、この種のメッセージが露骨に出ることは自殺行為だから、まず載らない。そこは世間を知る人生の達人、うまくぼかして軽妙な文体で笑いを誘う。なかなかの文章家ではなかろうか。
選手の言い分を聞かないスーパーも百貨店も電車も利用しない、大新聞もハムもチョコも乳酸菌飲料も買わないでやろう!と書いてあったのだが(笑)、肝心の「リース」は、ちょっと照準を合わせにくかったかな。
あと、僕には親会社がよくわからない球団もある(ベイスターズって水産会社ではなくなったのかな?)。
しかし、阪神は今まで通りの2リーグ制維持を訴えているから標的にはならないと思うが、もし一転「パリーグ・リストラ案」など出したら、阪神電車沿線の住民はどうしたらええねん?
阪神間なら、少し歩けばJRや阪急に浮気することもできるけれど(僕は浮気症だからJR、阪急、阪神、地下鉄のどの駅にも近いところに寓居している)、いま話題の近鉄だと、三重県や奈良県の沿線の持ち家に住んでいるファンは、ボイコットしようにもできないではないか。
たしかに、ボイコットというのは、「飽食の時代」に合う戦術かもしれない。
選択肢がたくさん、しかも続々とある寡占市場だと、1社がボイコットされて敗退しても、市場経済それ自体にあまり支障はない。ヤク*トがなくてもビックルがあるし(ヤ*ルトおばさんはお気の毒)、ゴリ売り新聞は多少お客さんが減ってもつぶれないだろう。
むしろ、静かな国民的ボイコットが進んでいるのは、年金と結婚だ。いきなり現実的な生活問題になるが。
どうしても「払えない」「できない」のではなく、これはかなり意図的にボイコットされているように思う。
海外旅行者も多い、クルマは減らない、ブランドものは売れに売れる、行列はできる、スピリチュアルだけでも売れる(笑)…日本人のあんちゃんお姉ちゃんに、経済力はありありなのだ。パラサイトしていれば経済苦は実感ないし。
だから、諸手当てを増やしたりしても、的外れではないかなぁ・・・。
政治屋がこの意図を誠実に聴きとろうとしないなら、ボイコットは「該当者」の半数に届きそうな勢いだ。もうすぐに。
こっちの方が、僕は気がかりである(あんたこそ!と責められるのは承知)。
さしあたっての日本球界だが、潜在的に購買力のある日本人は、ブロードバンドやらデジタル家電やらを導入して、日本の野球中継も大リーグ中継も同じ感覚でザッピングできるようになった。ファンが「海外」に流れて行くのは、簡単なこと。
だから、ストをするならするで見ごたえのあるストを、やらないならアッパレな獲得成果を、ぜひ見せてほしい。
選手が球場周辺の店にポジションを割り振って、場外ファン感謝デーをやるというのはどうだろう?
監禁快速
at 2004 09/14 19:53 編集
ふだん列車ホテルにあこがれている罰か、今日は真っ昼間から電車に缶詰めになってしまった。
大阪も神戸も真夏の日差しなのに、西宮が土砂降りだった。局地的な雷雨で、信号が落雷で故障したらしい。ちょうど武庫川の鉄橋の上にさしかかったとき、プスンと停車。
まぁなんとか30分ほどで動き出したが、昼間から「このまま夜をどう過ごせばいいのか」と考えてしまった。
赤ん坊は泣くし、座席のない客はたくさんいるし、在来線で「お泊まりモード」になると、これは少しつらい。今回はまだJRだからよかったものの、トイレのない私鉄で30分、1時間と缶詰めになるだけでも、地獄になりそうだ(車掌室から外へ出してくれるらしいが)。
信号が消えてしまったといっても、その場で律義に停まらなくても、運転士の「有視界飛行」で、せめてどこかの駅までトロトロたどりついてから停まってほしかったと思う。
素人の発想かもしれないが、まず「安全に解放してほしい」気分にもなるよなぁ。
山陽新幹線は、トンネル(長さは十何kmあったと思う)の中で立ち往生したので、反対方向から入れた列車を横付けして、乗客を移して運び出したという。
戦闘機の空中給油みたいだ。あぁ、どうせならこんな場面に巻き込まれたかった。
バチが当たるだろうか?
ネーミング
at 2004 09/15 10:40 編集
きのう生まれた子の名前から、撫子ちゃん、林檎ちゃん、桔梗ちゃんもOKになったそうな。
これまで遥、苺、雫がだめだったのが不思議なほどだ。どれも、いい名前だがなぁ。
法務省法制審議会が、いったん「人名に使っていよ」と指定した漢字のうち、姦・癌・糞・呪・屍は、こんな字を使わせるなんて!!と非難を浴びて、削除されることになった。
まぁ、当たり前だわな。姦吉とか、屍郎というのも穏やかじゃない(糞はだめになったが尿はどうなのか?)。
子供の名前は、漢字をあてるかカナだけで行くか選択の余地がある我が国では、よけいに思い入れがこもってしまうが、アメリカのように「なんとかかんとか Jr」ですませてしまうのも潔くていいというか、明快というか・・・。日本のジャニーズファンは、わが子に樹似亜とつけたりするのだろうか?
鉄道マニアだと、「なんとか一郎ジェイアール」てな変則技を使ったりするかもしれない。
漢字が使えるから、かえって当て字やらこじつけやら考えてしまうともいえるから、カナだけで考えてもいいと思う。「がん」も「ふん」もショッキングでなくなる。もっとも、漢字だからこそ意味があるのだろうけど。
「しずく」「りんご」「なでしこ」「いちご」も、どれもカナだけでもいい感じ。ただ小学校あたりに上がると、「しずく」ちゃんの名前には線2本書き足されて「もずく」にされてしまうイタズラも、覚悟しなくてはいけないか。
天気や植物や果物の名前は、妙に人間くさかったり信仰じみているより、さわやかでいい。親は革新政党員のくせに、僕が昭和天皇から、兄が靖国神社から字を借りている冗談のような命名は、発育が歪むぞ!とつくづく思う。
消費評
at 2004 09/16 07:37 編集
たった1時間の労働なのにやたら眠い日で、神戸に戻ってサンマルクでソファーに座ったらうたた寝、帰って改めて昼寝したら晩飯時間にまでくいこんでしまった。
やっと書類作成とワープロ打ちの作業がひと段落して、つかの間の「秋休み」に入ったせいでつかれがどっと出たのかもしれない。
変なパターンで寝ると、「夜通し」目が冴えてしまって、いい夜風を窓際で浴びながら分厚めの文庫本を一気読み。
永江朗さんの新刊『批評の事情』(ちくま文庫)は、若手批評家列伝というか、批評家批評のような、でも軽快なエッセイでもあって、おもしろかった。
イントロには宮台真司、上野俊哉、山田昌弘、宮崎哲弥・・・と社会学屋さんが並んでいて、すんなり入って行けたし、幕間には森永ドラエモン卓郎や小林ゴーマニズムよしのりなんかがはさまっていて、起伏がある。
ただ、春日武彦がいて斉藤環とくれば香山リカがなぜ抜けているのだ!?という疑問は、9割の読者が持つだろうと思った。
小谷野敦を俎上に乗せて、小谷真理まで「ファンタジーではなくフェミニズム批評家」としてとりあげるんだったら、上野千鶴子がいないのは巨人抜きセリーグみたいな感じ。若手批評家を集めたというふれこみらしいが、鷲田清一さんは登場していて、同い年の上野千鶴子はいないのだ。
あえて、思想界では吉本隆明を視野の外におき、写真界アラーキーも除外されているから、「戦後派」というくくりにこだわったようで、それはそれでわかりやすい切り口だと思う。
思想というと、どうしてもマルクスが「付着」してきたり、映画批評だ写真批評だというとベンヤミンやゴダールが透かし見えたりするのは、もう「お約束ごと」なのかもしれないが、あえて古典の影を切り捨てると見えてきやすい面もあるんだな・・・と意外な発見。永江さんの立ち位置も自然で、文章も軽妙酒脱でいい。業界人ならではのこぼれ話も気がきいている。
しかし、これを読んで原著作まで手が伸びるかというと、なかなかそうは行かないのが困りもの。
これだけで現代批評の論壇がわかったつもりにはならないまでも、気分を消費しただけに終わってしまう。
過剰になればなるほど、批評は「流通」「消費」されるだけのデータと化してしまうように思う。
最たるものが、命をめぐる著作だろう。
難病闘病記の類は、あとからあとから出ては人目に触れず消えて行く。もう、「俺のかかった乳癌」までインパクトが出ないと、出版もされないのではないだろうか。
名医の「ありがたいお言葉」本も、ふと、1冊1冊どこが違うのだろう?という気にもなる。
でも、あとからあとから涙を搾り出させようとする本が出るのは、買う消費者がいればこそ。
「もう、ええわ」と開き直れたら、さぞかし楽になれるんだろうけど・・・。
楽天ドアーズ
at 2004 09/17 12:56 編集
うちはライブドアと違うもんね、と球団経営を最近まで否定していた楽天が、やっぱり参入を表明した。
球場を持っちゃったお調子者の港町が、なんとか地元に球団を置いときたいから社長なんとかしてよ、てなラブコールでもあったのだろうか。
球団とサッカーを持って、ナベツネ帝国に張り合うのだろうか。
「Tシャツ上目使い」の若社長より好青年度を感じるのだが、それにしても次々に出てくるIT長者がかもし出す胡散くささは、赤字が出れば「やーめた」と投げ出しそうな予感がつきまとう。だから警戒されるのかもしれない。
次は、携帯コンテンツ供給とやらでかせいだ「日本人なのに本名ロベルト」が、俺も野球やっちゃおうかな?と、手を出すかもしれない。
地域性にとらわれないから伸びるIT事業が、さて実際に地域経済を潤わせると大きくイメージ・アップすると思う。
ただ、ニフティの企業城下町というのは聞いたことがないし、神戸のヤフー・スタジアムがインフォシーク・スタジアムに変わってもグーグル・スタジアムになっても、何か変わるの?という感じ。金で名前を買った売ったというだけの話だから。
パ・リーグ経営の構想で、だれかが韓国、台湾と交流してアジア・リーグをやってはどうかと提案していたが、IT長者なら抵抗なく実行に移すかもしれない・・・と少し期待する。
「胡散くさい偏差値秀才」が居並ぶおかげで一番しっかりして見える孫正義さんが、真打ちかな?
球場周辺店がんばれ
at 2004 09/18 07:06 編集
古田会長、ついにストを決行!
ニュースでは、さかんに「プロ野球70年の歴史で初めての」と強調していた。
ストはベストな解決手段ではないかもしれないが、「初めて」というところに価値があると思う。実戦で使うカードが1つ増えたということだから。
そんな経営にはこの手、あんな揺さぶりにはこの手、と選択肢が1つでも多い方が、今後の戦い方が洗練されるというものだ。
「伝家の宝刀」は、使わないと錆びる。
ただ、球団側はスト慣れしている。
鉄道会社のストは年中行事だし、ロッテ財閥なんか日本以上に激しい韓国の労働争議のノウハウを蓄積している。
ところが、選手会側は初陣である。
経営側が労働者と戦うのは本職の一部だが、労働者にとって労働運動は本職ではない。
だから、結果的に勝ち目はないような予感もする。
むしろ、ストしているうちに、やるせなくなってくる選手が続出して、「もう妥協して、ゲームに復帰しようぜ!」「体がなまって空しい」という空気が、戦いを自滅させて行くかもしれない。こんな自らの心理状態との戦いも、選手会側は未経験だ。
次元の違うもめごとだが、どこかの小学校で、担任の授業のやりかたに反発して、児童が授業をボイコットしたという事件があった。
結果はどうなったか知らない。たぶん、担任も児童も学校側も、みな気まずい思いをしただけではないだろうか。
「やっぱり学校に戻ろうよ」「いつまでも家で自習なんて、やだよ」てな気持ちが、遠心力の反動で起こってくるだろう。
結果的に、反乱児童が自分で別の学校を造って認可させたとか、自治体を動かして担任を懲戒免職にしたという話は聞いたことがない。この手の運動に、勝利はありえないのだ。
経営側・管理者側にも賢者がいて、「まぁ戦わせておくことだ。そのうち厭戦気分で消耗するか、内部分裂して自然崩壊するから」と構えているだろう。
老獪な闇将軍が出てきて、堤義明・宮内義彦あたりをガツンとたしなめて「選手諸君、これで許してやってくれ」と丸めこまれると、体育会系の選手は情にほだされて武装解除してしまいそうだ。
闇将軍といっても経営側と通じ合っている隠し球だから、結局は経営側のシナリオに乗せられて幕引きになると思うが。
ここは選手会側にも闇選手を用意して(桑田あたり適任だ)、戦いの構図そのものを変えてしまえばどうかと思う。
ともかくストは選手にとって初めての技だが経営側にとっては「手慣れたあしらい業務」なのだ。お互い初めての土俵で、フレッシュに戦ってほしい。
そこで、「野球もする不動産屋さん」桑田投手には、こっそり買い込んでいるハワイの土地や会社を提供してもらって「第3リーグ」をぶち上げ、そこに皆で移籍するとか。
スター選手の大リーグ流出は、球団にとっても脅威だろうから、その回路をつくるのも1つの手だろう。今のスト戦術は「自分の職場を自ら放棄する」ということだから、抵抗感はつきまとうだろうが、だからこそ「自分たちの職場は自分で創る」形になれば、建設的だ。
ただ、アメリカ本国は球団も飽和気味らしいから、カナダとかハワイが狙い目だろうな。
六本木でおねーちゃんとチャラチャラしていたい選手は、球団に寝返って元のさやにおさまってもらい、のびのび野球をしたい本当のプロは、バンクーバー・ホークスとかワイキキ・ホエールズとかカルガリー・スワローズを創って北米チームと本物の野球を戦ってみせてくれたら、その方が精神衛生上よろしいと思う。
すでに、イチローは「オリックスのイチロー」でなくても、松井は「巨人の松井」でなくても、日本のファンをしっかり集客している。このブレイクスルーを、「標準」にすればいいのだ。
カリスマ美容師やカリスマドクターが顧客をごそっと引き抜いて移籍したり開業したりするのに比べて、チームプレイの野球は、足並みをそろえるのが難しいかもしれない。
だから、アテネに行った選抜チームみたいな球団を1つ結成して、球団ごと大リーグに売りこむとか、カナダやハワイでリーグづくりから着手するとか、組織を動員するような夢を持ってほしいと期待するのは、無責任だろうか。
そうでもしないと、脳梗塞だらけの経営者に喝が入らないぞ。
監督はバースで決まりだな。
始球式はクリントンにやってもらおう。
ソーラーカーだん吉どうなった?
at 2004 09/19 08:39 編集
北海道から九州まで、最長ルートをコンピューターで計画して乗りつぶすという鉄分濃厚な番組が、BSで放送されていたらしい。
BS限定でブーイングでもあったのか、純粋に大好評だったのか、はたまた海老沢バッシングを和らげる飴か、このマニアックな旅番組が地上波で再放送されていて、おぉこれは日本人必見の旅ではないか!と確信した。こりゃ教育テレビでやらにゃいかんよ。
なにしろ、東北から南下して秋葉原からあと2駅で東京駅というところを、ぐぐっと東へそれて、房総半島を一周して東京駅にたどりつくような回り道を尽くして、全国をジグザグにたどりにたどって12000kmになるそうな。
主演というか被験者というか犠牲者(笑)というか、僕の知らないあんちゃんが、結果的には無事やり通せたのだが、いやはや御苦労さん。
そこは、ふつうの十代の鉄ちゃんなら、夏休みあたりに敢行できるはずだ。
もし僕に小学生の子供がいて、日能研に通いたいとか公文やってみたいとか、ふざけたことを願い出たら、このJR長旅をやり通すのを条件に許可するね。
同級生が夏期講習だ特訓だと冷房に浸って青い顔で受験勉強する時期、うちの子だけは時刻表に目を輝かせている・・・となるのも、将来が楽しみだ(たぶん僕と妻の間に亀裂ができると思うが)。
かわいい子には旅をさせろというではないか。
まずでかい旅をしておくと、自分に自信がつくし、自分の外の世界への知的関心もかきたてられると思う。
家計に余裕があれば、トーマス・クックの時刻表を与えたいところだが、これはさすがに帰って来れないかもしれないので(各国の日本大使館・領事館で保護されまくってこい、国民の権利なのだ!とけしかけるかも)、まずは国内でいい。
子供のJR運賃など安いものだが、宿代がばかにならないから、テントを持たせる。張る場所も交渉して、合法的に世渡りすればいい。
あーら大変ね、おねーちゃんの部屋に泊まらない?と逆ナンパされても断って、「僕の代わりにパパを泊めてやって下さい。おとなしくしてますから」と振るようにしつけておく(僕と妻の深刻な亀裂になるかも)。
鉄道の旅はドライブやサイクリングにくらべると数倍は安全だから、全国の少年に義務教育化してもいいぐらいだと思う。
全小中学生の毎年の生徒手帳に1万km単位の「JR乗車権」をつければどうだろうか。何割かの心配性な親は自分の切符を買って同伴するから、経済効果も見込める。
JRには食堂車も夜行列車も減っているのが寂しい限りだが、その分、駅から街へ足を踏み出して一宿一飯にありつくチャンスが必然的に増える。
おじさん嗜好だと、サンルートチェーンの類より、「駅前民宿」の類がいい。
とはいえ、たとえば12歳の少年が駅前民宿をたずねて「今宵の宿は、ありますかな」というのも無気味だろうけど(地酒に目覚めたりすると、成人するまでに肝硬変だ)。
ようこそオータムファッション
at 2004 09/19 19:18 編集
梨をムキムキワシワシいただきつつ、柿はまだかなーと待ち望む曰々。
スイカは今年2玉ぐらいしか食えなかったなーと夏に未練たらたらのワタクシが先ほど目撃したのは、冬の兆しだった。
ダウンジャケットを初目撃したのである!
女の子ニ人連れだった。汗ひとつかいてなかったのが、すごい。
10月いっぱい、ワタクシはポロシャツにサンダルでルンペン散歩をしているというのに。
日本経済に貢献しているのは、まちがいなく彼女たちだろう。
いや、40℃のスーツ男もそうだ。
まだまだバブル消費は消えていない。
徒歩歩・・・
at 2004 09/20 06:56 編集
行きつけのモスの向かいに開店したカレーうどん屋というのが、気になっていた。
雑誌に載りました!!というコピーをぺたぺた貼って、なんだか下衆っぽいなぁとも思いつつ、「カレーうどん」で勝負する気合を受けて立とうじゃないの、と決意して、のれんをくぐった。
カレーうどん680円。
定食の時間帯というのが、なぜか昼と夜中。夕定食がないのは不思議。
夜中は11時から3時という時間帯で、割増料金はないようだ。
定食は、「うどんと玉子ライスのナイスなコンビ」と書いてある。ナイスである(笑)。
玉子ライスとは、卵かけ飯のことらしい。
カレーに生卵をかける大阪の掟が、紆余曲折を経て「カレーうどんについた飯に卵」というところに落ち着いたようだ。
で、肝心のカレーうどんはというと、なかなかナイスだった。
甘い口あたりの後、じわじわと辛味がきいてくる。腰の強い麺が、カレーライスを食うぐらいのボリューム感を味わわせてくれた。
三宮あたりで飲んだくれて、千鳥足で夜道をふらふら歩いて帰るときの、ちょうど中間地点ぐらいの場所にあるから、ちょうどいいロケーションだ。となりには「180円びっくりラーメン」もある。
ところが、実際「うぃ〜っ飲んだ飲んだ」というところまで飲んだくれることが、もうここ数年、いや震災を境にパッタリなくなったような気もする。
酒飲みにとっては、繁華街から歩いて帰れる自宅は、とことん飲めて好都合なのかもしれないが、不思議と「好条件にジャストフィット」するようなネオン街愛好家にはならないものだ。長野県に引っ越した人が登山家になるとは限らないように。
終電が気になる10時半とか11時までのギリギリの攻防が、遠距離通勤者の「ちょいと一杯」の醍醐味なのかもしれない。
そんな涙ぐましい遠方マイホームローン奴隷パパたちが、GDPを世界首位に保っているのに、消費は低迷している。せめて仕事帰りの一杯がニ杯になるぐらいの景気刺激策は、小泉さん竹中さん打ち出してよ。
一杯がニ杯になるもよし、夫も一杯+妻も一杯が気楽にできるようになるもよし。
乗合タクシーの禁止も、規制緩和せんといかんわな。
神戸から明石あたりまで帰りたい客が4人いたら、まとめて乗せれば安くて助かるのに、タクシー業界は4台のタクシーに分乗させようとする。
客を束ねて運ぶ車がいたら、業界内で「飯のタネを奪う気か」と袋叩きに遭うようだが、客の立場で考えてほしいものだ。足並みが乱れるとめんどうなことになるから、法律で一斉に規制緩和する方がいい。
「安く帰れて、時間制限なし」こそ、飲んだくれパパの悲願なのだから。
すぐに帰れる者としては、あえて道草を食う「止まり木」が増えた方が楽しい。
ただ、モスバーガーでコーヒーっちゅうのも、そこはかとなくわびしい。
カレーうどんに代わっても、元気をつけてそれからどうしたらええねん?という感じだが。
浜
at 2004 09/21 13:35 編集
「連休は雨」の天気予報がみごとにはずれて、山に登る計画をキャンセルしたカヌーイストと「海の記念日男」は、憤懣やるかたない。
むしゃくしゃしたままなので、最終日は、ひとっ走りすっか、ということになった。雑誌に書く記事の取材を兼ねて。
芦屋まで愛車をたたんでJRに乗り、浜辺へ向かう。
芦屋浜、西宮ヨットハーバー、甲子園浜、鳴尾浜・・・と、阪神間には何かありそうな浜の名前が並んでいる(関東でいえば由比ケ浜、江ノ島、逗子マリーナ・・・という感じかな?)。
何かあるのか何もないのか、確めてみよう、距離的に自転車がちょうどいい、というわけで、まず芦屋川から下って行ったのだが、たしかに何もなかった。連休なのに人影まばらな、都会の静けさスポットである。
海はずいぶん遠浅で、水遊びしている女の子たちが、びっくりするほど沖合で海に使ったり立ち上がったりしている。
天然の浜といっても、大阪に近づくほど水遊び気分をそいで行くのはしかたない。
それでも、曲がりなりにも阪神電車から歩いてすぐの浜で水遊びぐらいはできるのが、意外な発見だった。
正味3時間ほどジグザグに走って、30kmぐらいだっただろうか。標高差はほとんどないのに、この程度でバテバテ。蒸し暑い日で、潮風も紫外線も容赦なく襲ってくる。
帰りの電車に乗ったらコテンと眠ってしまい、よっこらしょっと自転車を組み立て、乗って帰るとコテンと数時間、寝込んでしまった。
こんな風に体がすなおに反応する運動は、いいものだ。
この延長で、しまなみ街道も走破できるかどうか・・・!
地球人の悩み
at 2004 09/22 07:01 編集
真夏日が90日あったとかそれ以上だとか、各地で記録を更新したらしい。
ヒート・アイランド現象説も、地方都市の灼熱にはどうも通用しにくい気もするが、かといって一概に温暖化だ海面上昇だとあわてる必要もない。夏が暑いと梨やスイカがうまいし、北海道でバナナやパイナップルができるようになれば、災い転じて福となすのだ。
・・・そんな次元の話ではないか。
スキー・シーズンが短くなるのは悲しいから、地球上の熱はせいぜい夏に放出してもらって、冬はシュパッと寒くなってほしい。
やはり、冷房のしすぎが街をじゃんじゃん暖めているとしか思えない。
9月のブーツ娘、ダウンベストお姉さんには、クーラー寒すぎるわよ!これ以上冷やさないで!と怒っていただきたい。
就職できず憤懣がたまりたまっている少年少女には、クーラーきんきん好みのスーツおやじを狩る許可を与えたい。
汗をかけば涼しいのだ、と単純なことに世間が気づいたとしても、「汗くさ日本」になるのは賛否両論もあるだろう。おばさんと予備軍が塗りたくっている強烈なケミカル臭、酸っぱいオヤジポマード、イケメンのギトギトフレグランスがこれ以上増えると、もう立派な公害である。
「乙女の石鹸の香り」など、絶滅したのだろうか。
えなりかずき君なら、同感してくれるはずだ。
ようやく今日から涼しくなるらしいから、押し殺されていたファイトが甦ってくる感じ。
まぁ、ファイトを道楽に向けず仕事に注ぎなさい、と天の声も聞こえてくるが、仕事は老後の楽しみ(ボケ防止)に取っておいて、体力と金に余裕があるうちに趣味を楽しもう…という生き方もあっていいと思う。
今の調子で温暖化して行くと、スキー・シーズンは1,2月だけになっているかもしれないし、山のマナーは悪化する一方だし、もっと早く堪能しておけばよかったと嘆くことになるかもしれないから。
兄と弟にはさまれておかずを奪い合う幼少期を過ごしたせいか、「うまいものは取っておかない」のが僕の処世訓になってしまった。楽しいことは今する。
「老後の楽しみ」をとっておいて、東海大震災や火山噴火や日本沈没や隕石衝突でパーになってしまうのも空しい。
ゴミゴミした街遊びが趣味の人はあせらなくてもいいだろうが、自然と戯れる道楽は、今のうちに「思い残すことはない」ぐらいに究めておいた方が、笑って死ねると思う。
愛¥家ヨンさま
at 2004 09/23 15:23 編集
いとうせいこう司会、やくみつると山本容子が向かい合っている画面にひょっこり遭遇して、漫画版画対談か?と思いきや、タバコ番組なのだった。
敬老の日でもないし、世界禁煙デーでもないし、妙なタイミングでまじめなタバコ文化番組をやってるなぁと思いつつ、最後の15分ほどを見ただけ。
ロンドンで禁煙パブが増えているとか、タバコはインディオにとって神聖な習慣だったとか、ヨーロッパの貴族はマナーを追究したとか、一応は擁護派と禁煙派の両方に目配りした内容だったが、いったい番組スポンサーがどこなのか、わからずじまいだった。
ニコチンもタールも肉体の生理に悪いのはもう物理現象で、疑う余地はないのだろうけど、精神衛生を考えると、体に悪いことでスカッとすることもあるわけで、論争がねじれてくる。
そこに、「タバコ以上に体に悪いものはある」と議論がすり替えられる余地も出てくる。
たしかに、本当にストイックかつ美しく喫煙している人と、車道沿いに「オレ、鍛えてるもんね健康だからね」と排気ガスを膨大に吸ってジョギングしている人と、はたしてどっちが病気でどっちが健康だか、わからなくなってくる。
ふと、思い出した。
脳死者からの臓器移植を受けて無事に退院した五十代の女性が「いただいた命を大切にして生きて行きたい。モーニング娘のコンサートに行くのが楽しみ」みたいなコメントを口にしていたっけ。
もしタバコをつけて「あぁ、この一服が幸せなのよ」なんてやると、主治医は仰天するだろうし、世間が許さないだろう。
では、コンサートではなくて新興宗教だったらどうなのか?とつっこむと、そんなドナー登録者数を減らすような雑音には、フタをされてしまうのが落ち。
特殊な高度医療はともかく、保健政策の追い風もあって、タバコは矢面に立たされている。
なるほど成人病やガンの元凶だから喫煙を、というのはわかるけれど、政策というものは幸福とか生きがいを問題にしない。カネの問題である。
権力を使ってタバコを絶滅させることは難しくないはずだが(外圧だけでも捕鯨のように絶滅寸前になった食文化もある)、簡単なことだからこそ、次のターゲットが不安だ。酒か?塩分か?砂糖か?
庶民のささやかな楽しみ(こんな言い方は庶民性善説みたいで僕は嫌悪してきたのだが)を狙うより、無駄な公務員を切り捨てた方が一気に税金の無駄遣いは抑えられる。
まぁ、国のやることであればこそ、国そのものの害悪は後回しになるのだろう。
それにしても、タバコの煙たちこめる中に浸って漫画を描いてそうなやくみつるが、「くわえたことも一度もない」というのも意外だったし、山本容子画伯は「二十歳の誕生日に父の前で吸って以来の愛煙家」というのも意外。
でも、この程度の「意外」で山本容子のファンが減ることも、やくみつるのファンが増えることもないだろうと思う。
ご両人なら、実は私・・・と禁煙宣言されても喫煙宣言されても、「そういうこともあるだろうな」と思うぐらいで、その道のプロという圧倒的な人物像が、嗜好品を呑み込んでしまうような感じがする。
僕は一応タバコが嫌いではあるけれど、たとえば山本容子はタバコをひっくるめて好きだといえる反面「私もタバコ大っ嫌い」と顔をしかめる人に手放しで共感できなくなってきた。
吸っても尊敬される人間になればいい。
嫌われるから禁煙するような日和見喫煙者は、最初から喫煙なんかしないで、人に好かれることばかりしときなはれ。
ヨンさまあたりは微妙な地位だろうな。タバコを吸っただけで、それでも素敵だの幻滅しただの、イメージ戦略を操るのが大変だろう。
いっそ、オ*ニー好きとカミングアウトしても人気者のSMAPをを見習って、やっちゃえばいいのだ。「僕はヘビースモーカー。そろそろ日本にスモーカー」と、ニコチンオヤジギャグを。
町興し野球
at 2004 09/24 13:54 編集
「楽天」球団が、本拠地をどっちにしようかと大阪人神戸人をヤキモキさせたあげく、仙台に落ちついた・・・のかどうか?
「地域にこだわらない球団経営」なんて発言をしている社長だから、仙台でもうからなければ東京へ、と浮き足立つ可能性もある。本当に、宮城県民は手放しで歓迎してるのかね?
「東北に球団を」という悲願はわかるけど、それなら日本海側と四国にも球団がないのは寂しい。
そこで、水産会社が「タラバガニうぐうぐーず」とか、高松の製麺所が「さぬきメンズクラブ」とか設立すれば、すぐ地域経済が潤うのではないかと思う。
カニは高嶺の花だから、個人的には、うどんを全国に普及させたい。球団経営はぴったりだ。
巨大な丼みたいな球場を造って、球場内でしか出してくれないスペシャルうどんを出す。いや、観客席でもビールやジュースは一切売らず、うどんだけ。中継で観客席が映ったら、全員がうどんを食いながら野球観戦している…というのも、宣伝効果抜群だろう。
香川県民以外の四国人も、なにか協力できる名産品を持ち寄ってほしい。バッティングフォームは阿波踊り打法とか、広末涼子がボールガールに雇われているとか、ノーゲーム日には丼球場に道後温泉の湯を満たして巨大浴場になっているとか。
カニは、僕の偏見にすぎないが、ヒヒジジイが愛人にほぜらせて偉そうにくちゃくちゃ食っているようなイメジがあるので、あまりさわやかなスポーツと結びつかない。せいぜい、松葉ガニと越前ガニとタラバガニと、カニ同士で闘ってもらえばいい。
新潟あたりにも、球団があってもいいと思うが…。
もう、子供みたいに何でもほしがる巨額負債都市神戸には、球団も空港もなくてもいい(空港はできてるけど)。サルおやじがよたれ歩きしているだけのゴルフ場が日本一多い自治体らしいが、恥さらしなだけ。
とまぁ、行ったことがないものばかり、いらんいらんと叫ぶだけだが、「○○がない街」というのが自慢になるようなマイナス指向が、これからのトレンドになってもいいと思う。
たとえば「風俗店もパチンコ屋もない芦屋」は立派なステイタスだし、探すとけっこう少ない「高速道路が通ってない街」なんてのは、静かそうでいい。
気品ある街(ざあますオバサンやシロガネーゼが這い回っているという意味ではなく)には、静謐さが不可欠だと思う。
ただ難しいのは、「活気」との両立だろう。気品を完全に捨ててゼニもうけの活況を取った街に僕は通勤しているから、まぁ悪くはいえない。「ゼニより気位どすな」って街でお茶屋めぐりをする身分にはなれそうにないし。
それができれば、理想の三都暮らし(神社仏閣をまわって、ドーム球場で爆発して、さて神戸の我が家へ…)が実現するのだが、そのためにも、球場も空港も喜んで手放したい。
ホームラン場面105円
at 2004 09/25 14:02 編集
「朝ナマ」は、やはりプロ野球がテーマだった。
楽天もライブドアも、ブロードバンドで試合中継して、今までの放送権料ビジネスとは違う感覚の経営やろうとしてますよ、というのがおおかたの下馬評だった。テリー伊藤も「あえて、これまでのプロ野球を支えてきた観客層のおじさん切り捨ててますよ。正解かもしれない」と肯定的にとらえていた感じ。
古い野球体質を改革する旗手がIT経営・・・と期待するのはわかるが、そうかなー?と素朴に思う。
「ビール、ステテコ、テレビ」でナイター中継を見たいおとーさんを守れ!というつもりはないし、居酒屋テレビは永遠です!とも思わないが、リアルな球場に足を運ぶ観客を呼び込む泥臭い経営努力が、やはり球団のコア・コンピタンスではないかと思う。
客層分析や満足度のリサーチは、たしかにIT屋さんの得意とするマーケティングだろうが、いくらデータを集めてこねくりまわしても、限界はある。スポーツビジネスの命は「臨場感」にあるから、球場経営をしっかりやってほしいものだなぁと他人事ながら思う。
でもテレビ中継も大きな曲がり角にある感じもする。
朝ナマはハードディスクに録画して後追い再生で見ていたのだが、自動CMスキップを働かせると、ほとんどリアルタイムでCM抜きの番組が見られる。
そんな芸当で見られる番組も半分ぐらいはあるから、民放にとってはたまったもんじゃないだろう。
ブロードバンドや地上波デジタルだと、課金もマーケティングも送り手が制御しやすくなるのかもしれないが、ペイ・パー・ビューは今までのテレビになじんできた日本人にすんなり浸透するかどうか・・・。
視聴者が匿名でいられないデジタル化は、「今月のあなたの視聴明細は以下の通り。料金は○千円。口座引き落とし」なんて記録通知も可能にする。
いやだなー、番組を匿名で見られないなんて。
放送のデジタル化は、巨大なスパイウェアじゃないかという感じもする。
そんなメディアの様変わりと、泥臭いコンテンツ(野球がその筆頭か。音楽番組は1曲いくらで課金できるパッケージ商品になりやすいと思う)は、どう合体して行くのだろうか。
なんだか、しらけてしまいそうな予感もある。
ナンバーワン・ステーション
at 2004 09/26 14:30 編集
生まれ育った界隈に、「日本一危険な駅」というのがあった。数日前まで。
幅たった2.5mで両側を特急・急行がびゅんびゅん通過する、というので有名であった阪神電車春日野道駅は、とはいえ事故は一度もなかったというから、「日本一危険視されていてみな気をつけるから日本一安全な駅」だったのだ。
それが、このたびプラットフォームが増設工事されてしまった。
あぁ、これで名所が1つ減ってしまった。
おまけに、ほとんど同時に悲報が追加。
日本一か二番目か、ともかく秘境駅で名高い神戸電鉄菊水山駅が、休業するという。
ひょっこり訪ねた人は、駅周辺に人家1軒もなし、公共工事の事務所のようなのが遠くの山に埋もれて見えるぐらいで当然の無人駅だから、なんのための駅なのかわからないだろう。
ただここは、地元民なら事情はわかっていて、休業といっても電車は毎日何百本も通るから、とりたてて喪失感みたいなものはないだろう。廃線になるわけでもないし、「一度は降りておきたかった駅なのに!」という客もマニア以外いないだろう。
たぶん、休業の来年3月までは、カメラを持って「秘境記念写真」を撮りに行く物見遊山が急増するはずだ。まぁ、ハイキングコースを歩けば神戸電鉄に乗らなくてもたどりつけるけど。
そういえば、わが電脳判事の地元の餘部鉄橋ももうすぐ架け替えだというので、撮影においでおいで今やでチャンスは・・・と濃厚な鉄分がメールに添付されてくる。
なるほど趣がある鉄橋風景だが、僕はどうしても列車転落事故で下敷きになって亡くなった多くの犠牲者の御霊というのを思い出してしまう。
まさか心霊写真にならなければいいが・・・。
鉄道や心霊や山岳、パパラッチ、婦人科・・・と、写真にもいろんな分野があって、かなり壁は守られているようだ。
電脳判事の周辺を見ると、「アイドル」は撮っても裸女は御法度だ。鉄ちゃんも、レールスターのボディラインに欲情したりするくせに婦人科には足を踏み入れない。いや、そんな浮気なやつは蔑まれるだけ。
でも、ほころびは、さすがのおマニヤさまも隠せない。
鉄道写真屋が「旅する少女」をモチーフにしたがるように、山岳写真家は清楚な女性を狙いたいのに撮れないから、可憐な高山植物や清楚なメスニホンカモシカやメス雷鳥をモチーフに入れる。
「不純なようで純情」の代表格がアラーキーだとすると、一番わかりやすい不純はアーミーフォトグラファーだ。まじめに兵器や戦車や巡洋艦を撮っていると思いきや、実は自衛隊音楽隊のバトントワラーや婦人警官をコレクションしている。公僕は肖像権など主張しないから、素材はタダで、写真写りのいい制服のアイドルは、トレカ状態になっていたりする。
露骨にアーミーおマニヤさまの情欲が投影されているのは、コンバット系雑誌だ。
「秘境駅にたたずむ麦わら帽子の女の子」なんて写真も、あぁいかにも考えつきそうなモチーフではないか。
「あ、やってるやってる」と、我が意を得たり気分を味わってみようか、菊水山駅で。
深夜の友
at 2004 09/27 08:43 編集
長寿番組が終わるのは寂しいものだ。
主演のスタミナや才能の限界ではなく、経営場の都合で幕が引かれると、なおさらそう思う。
去年、「ごめんやす馬場章夫です」が終わる間際は、やたらに「番組のようなCM(雑誌の記事本体と同じレイアウトの広告と事情は似ている)」が増えて、放送時間の4割がCMという惨状だった。
スポンサー募集のCMまで、しょっちゅう流れている。
企業の広告費が抑えられているのと、ラジオ聴取率の伸び悩みとのダブルパンチが、長寿人気番組を消し去ってしまう。
ラジオのレギュラー番組で語りかけてくれる作家というのは、昔も今も珍しい。
概して、もっと語ってくれたらいいのに、と思う。
とすると、ダブル村上などファンは期待するだろうが、春樹さんは出ないところに魅力があるし、龍さんは昔の露出過剰を反省したのか懲りたのか、これまた出ない。
どちらもwebに「僕の文壇」を持っていて、これも時代の流れというものだろうか。
「五木寛之の夜」はカネボウが単独スポンサーだから、春にカネボウ解体のニュースを聞いたとき、あぁ何かシワ寄席があるだろうな、とは思っていた。主演の五木さんは古希をすぎて東奔西走ますますお元気だから、体力の限界でもないだろう。
「ではまた、どこかのラジオで」と明るく言い残してくれたから、再開されるのを心待ちにするしかない。
それにしても、25年のロングランは長かった。
始まった'79年に、たしかNHK・FMのラジオドラマ「二人の夜」で、『青年は荒野をめざす』をやっていて、初めて原作者を知った僕は、原作の文春文庫版を読んだ。脳内革命が起きて(笑)、何十冊と読み漁り始めた。
高校3年生である。当然、受験には失敗したが、まぁ若気の至りというもんか。
もともと五木さんは「エンターテイメント作家」で、最近は人生訓エッセイストと思われているかもしれないが、一貫して「根なし草」を自認しておられる。
外地で帝国主義的教育を受けた引き揚げ者として、外側から今の日本を観察するアウトサイダーの目を持ちつづけている。日本の村社会の空気を吸って受けた皇民教育とは違って、五木寛之さんが思春期までに吸収した「日本的なもの」は、虚構だったのだ。
だから、今でもある麺では「日本探し」をしておられるようにも見えるし、それはそれで不幸だとはいえない気もする。
二十代でいっせいに学校から去り、三十代までで恋は終わり、サラリーマンの生き方・OLの生き方・正しい主婦のありかた・正しい中高年のありかたがガッチリ決まっている日本というシステムは、疑えば村八分にされかねない。
そんなジャパン・ええシステムにどっぷり浸って年金や投資の計算ばかりしている偉いセンセイがたは多いが、七十をすぎても世界中を旅して回る五木氏の好奇心とフットワークは、自然な複眼思考を失わずにいられると思う。
かつて、文化大革命でもスターリン粛正でもフランコ独裁体制でも、そして日本でもドイツでも、全体主義政権は文学者を徹底的に弾圧した。
僕がただ抒情的な理由(?)で愛聴しているアシュケナージとソ連との関係を扱った番組が、たまたま最近見たのだが、音楽家や画家も権力に利用され、利用できなければ弾圧される公式が、ありありと描かれていた。
そのアンチ・エネルギーが、たとえばスペインではピカソを生んだりしたのだが、だからこそ権力は芸術表現者を恐れる。
今のような時代に、民衆を動かし「ビロード革命」を起こせるのは、だれなのだろうか。
政治性と微妙な距離をとっているのが五木寛之さんだが、いっそ、ドクターなだいなだ氏に合流して老人党運動でもすればおもしろいのに。