まるまる二日、
濃厚な社会見学に浸ってきた。
月曜の夜明けとともに「送迎車」戦艦大和号で神戸を出て、名神〜東名を静岡まで劇走、袋井ICで女子特攻隊員と合流する。ターゲットは999も走ったばかりの大井川鉄道。
というプランだったが、なにぶん連休ど真ん中。高速激安で渋滞は必至だし、おまけに送迎車にETCがついとらん!(笑)
そこは、ワリカンで負担すればいいとして、渋滞だけが心配の種だった。
幸い、ほとんどつかえずに6時間ほどで静岡に到着。
ここまで来たら、やっぱり浜名湖のウナギでしょう!!と、地元の隠れ家的なウナギ専門店(さぬきうどんの製麺所のようなたたずまい)で、極上のウナ重をいただいてスタミナ補給。この後、戦艦大和タケイ機関長の御学友が家族でやっているクラウンメロンの農園を「社会見学」させてもらった。
精魂と科学的な品質管理に感心し、おまけにその手塩にかけた産物を手土産にいただいて恐縮してしまう。
こちらとしては神戸ビーフ1頭分でもお返しにと思ったのだが、車に乗らなかったので、ユーハイム本家のバウムクーヘンを置いてきた。
夜は、いつもの居酒屋トリオなので、地元の店に出撃して、「居酒屋メニュー風アレンジ」の富士宮焼きそば、静岡おでんをあてにハイペースで飲む食う飲む食う・・・
濃い口だし汁の静岡おでんは、関西風の薄味より断然いける。ぜひ、関西進出を果たしてほしい。
地元の観光をコーディネートしてくれたミスターメロンと二軒目で合流し、鉄道を熱く語る袋井の夜は更けて、日付が変わってしまう(月曜火曜の日記は、旅行に備えた「蔵出し」で、旅先で酔っ払いながら政治を熱く語ったわけではない)。
このミスターメロン鈴木青年も、18きっぷビンボー旅行の洗礼は受けていたたくましい青年なので、鉄道部の戦力になってくれそうな期待は感じる(うーん、ただ住所が東海道本線沿いに散らばっていて、集結が大変ですな)。
ホテルに朝帰りしたその火曜日は、大井川鉄道を攻める作戦決行日、Dデーである。
指定席の手配からタイムスケジュールまで、戦艦大和君におまかせしていたので、僕は時刻表も持たず、ただ案内されてついて行きSLに乗って帰ってくるだけ。
もちろん、乗車するのは客車に…であって、SLに牽引される感触を楽しむのがSL旅行の風情である。
十代まではSLを関西近郊で見ていた僕でも、C11は初乗車だった。
義兄が北海道で運転していたD51の運転台には、遊びに行ったときコッソリ乗せてもらったことがある程度で、ふだん通学の足になっていたわけではない。
ちょうどそんな世代のパパたち、伝説のように見ているテツ青年、客として乗り慣れた高齢者、ただただ「素朴にすごい」乗り物としてはしゃいでいる子供たち・・・
と、いろいろな想いを客の数だけ乗せて走る鉄路の音を聞いていると、鉄道空間を分かち合う醍醐味なんですな〜〜〜と、しみじみしたいのに、まぁ車内は阿鼻叫喚であった(笑)。
みやげもののハーモニカを買ってもらって、ずっとピープーパープー吹いている子供あり、注意するどころか「お手本」を見せるおとっつぁんあり、それに輪をかけて模範演技をする案内嬢あり(笑)と、ノスタルジーだの物思いだのにふける汽車旅なんか、決してさせてくれない活気(?)が満載なのであった。
これはもう、お祭り列車と思うことにしましょ、と開き直るのが観光鉄道の覚悟ってやつですかね。
客車なんかは、うまく補修して天然レトロ風味を出しているし、灰皿までそのままでも、いちおう車内禁煙はアナウンスされているので、いたって21世紀的なSL列車にはなっている。
トンネルに入るたびにススで車内が真っ黒!!になるわけでもない。これなら、悪いイメージを持たれることはないかもしれない。
「ぜひ、次は雪景色の中のSLですなー」
と期待しつつ、新金谷駅でメイン・ミッションは無事終了。
この後、連休帰りのラッシュを覚悟して関西に戻る長旅と、しみじみ考えさせられたことは、また明日。