2010.07.31 Saturday
俗にいうクレーマーを、至近距離で見かけてしまった。閉店間際の生協で。
暑い夜には、虫の居所も悪くなるらしい。
そもそもの発端はよくわからない。
商品の問い合わせをした客に対して、乙女スタッフがうまく答えられなかったようで、代わりに応対に出たフロア主任格の年配従業員からも自分の望む答えが得られなかったクレーマーが、罵詈雑言を浴びせているのだ。ねちねちと。
ただ、タチの悪い言いがかりとは思えず、怒りの火種はごもっともな気もするし、怒り主の風貌もそこそこまともだった。
家庭でも職場でもおとなしいタイプではないかと思えるような。
だから、ふだん自分がかかえているストレスがにじみ出ているようなねじこみ方。
「そんなレベルで、ここの教育どうなっとるねん!」とスタッフを罵倒している。
レベル…か。出世競争のはざまで尻を叩かれている、ふだんは善良な会社員なのでありましょう(まさか、ゲームのレベルではないだろう)。
であればこそ、焼酎学生以上の「レベル」の頭があれば、わかっていたはずだ。声を荒らげて罵倒したりクダを巻いたりして「クレーマー」とマークされたとたん、いくら低姿勢で丁重に受け答えされても、それは「クレーマー対応マニュアル」に沿った演技でしかないことぐらいは。
アホ!ボケ!カス!ダボ!と口にするたびに、「冷静に話し合いできないモンスター度」の判定はカチンカチンとカウントアップされて行くものである。うかつなことを言い返せば、言葉尻をとりあげてからんでくる法則(?)も、クレーマー・マニュアルに書いてあるはずだ。
となると、ひたすら嵐の収まるのを待つか、いっそ先に手を出してきたら警察に引き渡せばいいのだが、昨夜のクレーマーは腕力に訴えるタイプには見えなかった。
だったら、「別室で話をうかがいます」と誘導してもよかっただろうに、そんな危機管理マニュアルは機能してなかったようだ。
売り場で大声をあげると、威力業務妨害罪に問われかねないが、店側にも強く出られない事情があると、おいそれと強硬手段に出られない。
こんなときに、男気のある旦那がさっそうと割って入ってくれれば円くおさまる。
「まーまーまー若いの、ワシからガツンと言うといてやるから、ここはワシの顔に免じて、ぐっとこらえてくれんか」とかね。
反社会組織を手放しで肯定するつもりはないが、「社会」の中にも困ったちゃんが難儀なトラブルを起こすことがあるのも事実で、警察沙汰になる前にガツンと抑える威嚇力を行使することは、あながち否定できないと思う。
組のバックを匂わせて黙らせること自体、(素人がやっても)即犯罪になるご時世ではあるけれど、なにも組関係者でなくても、義侠心のあるおやっさん、あんちゃん、姐御、オババ(笑)が毅然とした態度でグレーな人間をたしなめることは、あってもいい。昔は街のあちこちで、そんな大人の義侠心はいかんなく発揮されていた。
語り継がれているケースで、実話かどうかは眉唾だが、給水待ちをしている被災者の列に割り込むやつがいたら、倶利伽羅紋紋のおとっつぁんが睨んで「おいコラ!」と一喝すれば一発解決。
世間は、倶利伽羅紋紋に味方する。
そのおとっつぁんの組が、自治会の副会長に推挙されたりして(笑)。
こんな「草の根公安」がちゃんと機能していたら、モンスター・ペアレントもクレーム目的のクレーマーも今ほど野放しになってはいなかったかもしれない。
だからといって、悪さをしていない一般市民を脅かしたり、「標的」にしたりしてはいかんのは当然のこと。
立派な893(というのがいるとすれば)と、迷惑な堅気の市民の、どっちが社会の敵なんですかね?
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