2010.11.30 Tuesday
ヨドバシにエコポイントTVを買いに行ったら、行列がとぐろを巻いていた。
とたんに、行列アレルギーを発症。戦意喪失。
こりゃ、無理して買うことないわ・・・
あえなく断念。
わざわざ、ヨドバシ用に(?)めったに乗らない阪急電車に乗ってきたのである。
手ぶらで帰るには忍びない。
で、ちゅーぶるカメラで目の洗濯をしようと八百富へ。別に買い物をしようとは思わんかったのに、ニコンFGが6500円。頭の「1」が取れとるぞワハハハハハハハハ・・・と、飛びついてしまった。電池を入れてもらって動作確認。問題なし。
底カバーにやたら擦り傷が多いのを除けば、ヘコミもなく、ファインダー内にはホコリ、カビひとつない。救出決定。
「電池はチェック用てことで、つけときますわ」
と吉田店長。ハッセル1セット68,000円で買ったときも(これも「1」が取れていた)、この店長から手渡されたのだった。まるで宝島のような店である。
FGは電子シャッターとはいえ、アナログなカメラではある。ファインダー内表示も、LEDアレイにシャッタースピードダイヤルと露光計を連動させて、オーバー/アンダーの量がわかる。
露出制御は、ニコンが初めて手がけたプログラム・オートだったと思う。
これが出た1982年、前年にEMを買っていた僕は少し歯ぎしりした。
ジウジアーロ・デザインのEMが、あまりにも古きよきニコンらしさを捨ててチープ感満点だったところへ、デザインはパク・・・じゃない継承して、メタル・ボディをギラギラさせて、シャッターにもダンパーをしっかりきかせて、マニュアル露出も可能にしたFGが登場した。
どうにも形容しがたい、マロっとしたシャッター・ショックは、「なにやら複雑な仕事してまんな」と察してしまうメカの凝縮感があって、この音とショックはずっと印象に残っていた。複雑なシャッター・ショックは、同じころに出ていたFE2、FM2、F3あたりでは、もっと締まりのいい感触にまとめられていたから、FG、EMのクラスのコスト・ダウンは明らかだった。
音もそうだし、ミラーとシャッター羽根の連携プレイが腕に伝える衝撃も、カメラの個性ってことで、「ちがいがわかる大人のゴールドフレンド」になればいいか、と達観するしかない。
ただ、ニコンの出番が最近ない。
F3が重すぎるのと、電子シャッターなので、カバーするのに対称的なFM2が女房役を務めているのだが(キャラクターとしてはスーパーモデル妻F3と職人旦那FM2だな)、FGがうまくはまるポジションがない。
危険地帯の旅をするのに、泥棒に差し出す身代わりか、ホームステイの支払い代わりになるか・・・そう甘いもんじゃないのはわかるし(そもそも危険な旅は趣味ではない)、捨て駒のポジションを与えるのは気の毒ってもので。
おっと・・・フィルムカメラに感情移入しはじめるのも、終わりのない危険な旅かもしれない。
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