2015.04.30 Thursday
このあたりの土地勘はないので、築地や豊洲の観光スポット化がどうなっているのか、どうあるべきなのかは正直よくわからない。
名物社長(らしい)長門勇さん風のおとっつぁんの涙の撤退会見も、部外者にはピンとこなかったが、報道はおおむね同情的。役所の対応が堅すぎるんだとか。
遠巻きに見ているだけの部外者だからこそ、コトの本質は見えてくるわけで・・・「さて、卸売市場はレジャー施設やったっけ?」と素朴に思うし、流通関係者にとってメリットもなさそうな気がする。温浴施設や物販店を目当てにマイカー、観光バスがひっきりなしに出入りするのは邪魔だ、と市場関係者から横槍が入った…カモカモカモ!?とうがったコメントもあった。
そりゃそうだ。卸売市場は仲買人をはじめ二次流通業者のための仕事場だわな。堂々と、「一般の消費者がウロウロすると仕事の邪魔だっての」と啖呵を切るプロの超えを拝聴したい。消費者は街ん中の小売りでカネを落とすべし、と。
卸売市場は、「卸買いすべき場所」なんである。
三次流通の手前で、より新鮮で安い産直の食材にありつきたい消費者心理はわからんでもないし、いつのころからはやりはじめたのか、マグロ解体ショーだの市場内食堂だのが観光スポットになっているのも現実。
でも、そもそもはプロとプロの取り引き現場だから、写真を撮ってまわったり、シーフードをいぢくったりする客に、イライラを募らせている関係者も相当おられるだろうねーとお察しする。
ふと、工場夜景マニヤや撮り鉄が重なって見える。
キャーきれい!!の勢い余って無断で敷地に進入する写真マニヤも増殖中。
「もっと精錬場を煌々と照らしてくれ!」とおねだりする筋違いもいれば、駐車場はないのか!?と要求する何サマさんもいたりする。オイオイ、ここは素人さん歓迎の観光スポットじゃないっての(苦笑)。
廃墟でけつまずいてケガしたり、ダムで流されたり、廃坑で生き埋めになったりしても、文句はいえません。だって、素人の安全性を考慮して造られた観光施設ではないんだから。
プロの職場は、社会見学っぽく周遊ルートを決めて限定案内すればいいのである。
港の岸壁は、昔から夜釣りかデートの隠れたスポットだったりするのだが、ガードレールなんかないから、「いちゃつきカー」がドボン!!なんて事故も日常茶飯事だ(わが教え子も一人犠牲になった)。
僕はたまーに愛車をこぎこぎ夜中にドライブするが、それはそれはハードボイルドな場所で、「禁断の地」ぽい独特なムード満点(そこがフォトジェニック♡なんですが)。
でも、倉庫業者や荷受業者にとっては、ゲートをつけて立ち入り制限したいだろうね。
西日本で指折りの中央卸売市場に隣接する卸業者の家に生まれ育った同級生もいて、何度か界隈をブラブラしたことはある。業者向けの食堂もあるとはいえ、もともとは「帽子に番号札」のようなプロのための憩いの場だろうなぁ。カメラを下げた訪日ツーリストが歓声をあげにくる場所ではない。
卸売市場っぽく造成されたフィッシャーマンズワーフならいいとしても、そんなにトレトレを食べたければ生産地まで足を伸ばせばどだね?
あ、そんなことアジると、畑を盗掘しにくる観光客や漁船に異常接近する釣り船が増えかねないか。
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