2015.11.30 Monday
神戸のコアな通りの名前が、水木しげるの由来だったとは、恥ずかしながら訃報で初めて知った。てっきり、境港の出身だと思っていたもんで。
鳥取の方が、ゆかりのある漫画家へのオマージュがにじみ出てますな。
水木通のある兵庫区のとなりは、鉄人28号で街興しをしている長田区で、母が同級生だった「横山くん」は、小学生のころから漫画をせっせと描いていたらしい。
なら、なぜ横山光輝と同じように水木しげるをプッシュしなかったのか、理解に苦しむぞ。
手塚治虫まんがミュージアムは宝塚にあるし、阪神間は伝説的な漫画家ゆかりの街が多いから、街興しが面で広がればいいなーと一漫画ファンとしては期待するばかりだ。
ゲゲゲの鬼太郎も、もちろん昭和の小学生としては紙面で愛読していたが、微妙にアニメ時代とかぶっているから、実は原作の印象はあまり強く残っていない。バカボンも、おそ松くんも、ジャングル大帝も、サイボーグ009も同じ。TVアニメに没頭していた。
中でも、あの主題歌は実によくできている。熊倉一雄の声は、原作の値打ちに匹敵する文化遺産だとさえ思う。
ねずみ小僧も、目玉おやじも、声優の演技力がすばらしい!もう、あんな豪華なチームは出てこないのではないかな?
声に魅了されたのは、ハクション大魔王もムーミン(初代の!)もそうだったが、妖怪の世界と現世との垣根を楽しく取っ払ってくれた功績は大きい。
おかげで、国内外の妖怪研究も進んだ。ある海外の研究者は、水木しげるさんの集めた民話上の妖怪画を閲覧して夢でうなされる体験をした…なんて逸話も、どこかで読んだことがある。
ムーミンも妖精トロールと人との共生ファンタジーだから、やはりアニメ化された方が、原作の意図は伝わりやすいのではないだろうか。
なんといっても、声優文化が円熟している。洋画の吹き替えとアニメという「職場」があったからこそ、声の芸術も発達したわけで、声優が変われば作品もバージョン・アップする(ダウンすることもある)。
今はなんでもかんでもCGで量産できる時代になってしまったけれども、まちがってもゲゲゲの鬼太郎は、これみよがしなレーザービームが飛んだりポリゴンを駆使したりはしない形で、21世紀バージョンを焼き直してほしい(焼く、なんてのもアナクロな発想ですかね?)。
魔女狩りや悪魔祓いをしてしまう西欧文明と違って、お化けも案外「おもろいやつら」だったりする日本の妖怪カルチャーは、悪くない。
ドラえもんを下手すぎるパクりかたで笑わせてくれた中国も、一応ちゃんと契約を結んで、どんな中華ゲゲゲを生み出してくれるか・・・ちょっと楽しみ。
水木しげる画伯に、合掌。
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